ハワイでは、熱帯性から亜熱帯性の多様な植物に、出会うことができます。
そしてそれらの植物は、分布域や人間活動との関係から、大きく幾つかのグループに分けられます。
1.在来種と外来種
一番大きな分け方では、植物全体を在来種と外来種の2つに分けます。在来種とは、古くからハワイにあった種です。
外来種とは、もともとハワイには無かったが、人間が外から持ち込んだ種です。
2.ハワイの固有種
そのうちの在来種は、さらに固有種(endemic)とインディジェナス(indigenous)に分けられます。インディジェナスとは、ハワイだけでなく、ハワイ以外の地域にもあるものです。
3.外来種をさらに細分する
さて外来種とは、もともとは無かったが、人間が持ち込んだものでした。しかし太平洋の孤島ハワイでは、植物を持ち込むチャンスは、そう多くありません。
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そして実際には、次の2つの歴史的大イベント(出来事)、の際に持ち込まれたと言われています。
① 6世紀以降のポリネシア人の移住、
② 18世紀末の西欧人の到来。
(1) 伝統植物(カヌー・プランツ)
もともと無人島だったハワイに、初めて住み着いたのはポリネシア人でした。
彼らは6世紀以降、カヌーに色々な植物を積んでハワイに着いた、と考えられています。
この時期、すなわち上記①の際にハワイに持ち込まれた種を、「伝統植物」または「カヌー・プランツ」と呼びます。
それから千年以上経た18世紀末の1778年、西欧人のキャプテン・クックがハワイを発見しました。
それ以来、すなわち上記②の際にハワイに持ち込まれた種を、外来種と呼びます。
4.「伝統植物」 はハワイ独特の分類
このように、「外来種」を定義しようとする場合、「歴史上のどの出来事に着目するか?」が極めて重要です。そしてハワイの場合は、2つの大きな出来事があったため、外来種をさらに細分して「伝統植物」と言うグループを設けています。
なお、日本の場合はハワイの②とほぼ同じで、開国による欧米人の到来、に着目しています。
具体的には「明治元年」を境界とし、それ以後に外国から持ち込まれた種を、外来種と呼んでいます。
そして、ハワイで見られる「伝統植物」のような細分類は、日本にはありません。