(前回からの続き)
それから、彼は木が生い茂る山に行きました。
見ると、メネフネが約束したカヌーは既に完成し、いつでも引き出せそうです。
そして、メネフネはラカに、こう話しました(*2)。
「あの夜に、カヌーをあなたの小屋まで運びますよ。」
いよいよ、カヌーを持ち上げる作業が始まったのです。
カヌーは引きずるのではなく、手で持ち上げて運ぶからです。
2番目のハミングでは、プエオのハロアメキエイまで、カヌーが運ばれました。
そして3番目のハミングで、カヌーは注意深く小屋の中に置かれました。
食物ではタロの茎、また魚類では、オパエ(小海老)とオオプ(ハゼの仲間)が並びました。
そして夜明けになると、メネフネたちは彼らの家に戻って行きました。
しかし今では、それも掘り起こされてしまいました。
一方、ラカが掘った穴は、今でも残されています(*3)。
(終わり)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales.
(*2) 原文で "Menehune(メネフネ)" と言う語が現われるのは、この文が初めてです。それ以前は、直接的に"Menehune"と記す代わりに、 "someone, people, men" 等と表現しています。
(*3) 「今でも--」とは、本書の出版が1907年ですから、今から百年以上前です。
小屋とカヌーが出来上がる
ラカは、メネフネと約束したカヌーの小屋を、プヒカウの平地に作りました(*1)。それから、彼は木が生い茂る山に行きました。
見ると、メネフネが約束したカヌーは既に完成し、いつでも引き出せそうです。
そして、メネフネはラカに、こう話しました(*2)。
「あの夜に、カヌーをあなたの小屋まで運びますよ。」
カヌーを森から砂浜へ運ぶ
その夜の真夜中、メネフネのハミングが聞こえてきました。いよいよ、カヌーを持ち上げる作業が始まったのです。
カヌーは引きずるのではなく、手で持ち上げて運ぶからです。
2番目のハミングでは、プエオのハロアメキエイまで、カヌーが運ばれました。
そして3番目のハミングで、カヌーは注意深く小屋の中に置かれました。
メネフネに食物を振る舞う
ラカはメネフネたちに、約束の食物と魚を振る舞いました。食物ではタロの茎、また魚類では、オパエ(小海老)とオオプ(ハゼの仲間)が並びました。
遺構が失われていく
その小屋の名前はクアハラウと言い、数年前までは基礎の跡を見ることが出来ました。しかし今では、それも掘り起こされてしまいました。
一方、ラカが掘った穴は、今でも残されています(*3)。
(終わり)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales.
(*2) 原文で "Menehune(メネフネ)" と言う語が現われるのは、この文が初めてです。それ以前は、直接的に"Menehune"と記す代わりに、 "someone, people, men" 等と表現しています。
(*3) 「今でも--」とは、本書の出版が1907年ですから、今から百年以上前です。