096 神話 ペレと大洪水(6.火口を渡り歩く)

(前回からの続き)

カウアイ島からモロカイ島へ

この愛すべきハワイに初めて到着したペレは、まずカウアイ島に住みました(*1)。

そしてそこから、彼女はモロカイ島のカラウパパ(*2)に移りました。
彼女が住んだのは、半島の付け根近くにある、カウハコの火口の中でした。


西マウイから東マウイへ

その後、ペレは東隣にあるマウイ島に向かいました。
そして、ラハイナルナの近くにある、プウライナの丘をめざしました(*3)。
そうです、彼女はそこで、あのプウライナ火口を掘り抜いたのです。

それから、彼女はマウイ島を東に進み、東マウイのハレアカラ山に移りました。
そして彼女はここにとどまり、あの巨大な火口を掘り進めました。

今はハワイ島のキラウエア

このようにペレは、ハワイの島々を西から東へと、渡り歩いて来ました。
そして最後に、東はずれのビッグ・アイランド、ハワイ島にたどり着いたのです。


そこでペレが落ち着いた場所は、キラウエア火山でした。
そしてそれ以来ずっと、彼女はこのキラウエアにいるのです。

キラウエアが、今も活発に噴火を繰り返すのは、ペレがそこにいる証(あかし)です。

(終わり)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales.
(*2) カラウパパは、かつてハンセン病療養所があったことで知られています.
(*3) プウライナの丘はラハイナルナ学校の近くにあり、ラハイナ港から見ると学校の北側にあります.