104 神話 ペレとカハワリ(8.オアフ島へ)

(前回からの続き)

クムカヒ(東風)に乗る

カワハリが、海辺から少し漕ぎ進んだ時のことです(*1)。
急に東風が吹き始めたのです(*2)。


そこでカハワリは、パドル(かい)代わりに使っていた幅広の槍を、海から引き揚げました。
そしてカヌーの真ん中に、上向きに立てて固定しました。

幅広の槍に、マストと帆の二役をさせようと考えたのです。

作戦は大成功でした。
この幅広の槍に東風を受けたカヌーは順調に進み、しばらくすると、彼らはマウイ島に着きました。
そこで一夜を過ごした彼らは、次にラナイ島に進みました。


オアフ島に住む

そしてその翌日、彼らはモロカイ島に進み、そこからさらにオアフ島に行きました。

オアフ島には彼の父コロノハイラアウ、そして妹カネワヒネケアホが住んでいました。

カハワリは、自分を襲った悲惨な危機的状況を、彼らに話して聞かせました。
そして、それ以後ずーっと、カハワリは彼らと一緒に、ハワイ島に住み続けました。

(終わり)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅳ. Pele and Kahawali.
(*2) クムカヒ(Kumukahi)はハワイ島最東端の岬で、ハワイ諸島の最東端でもあります. ハワイでは、ここから日が昇って、諸々の事が始まります. また、東から吹く風、東風の俗称でもあります(*3).
(*3) John R. K. Clark(1985): Beaches of the Big Island.