209 アフウラ(12.フェザー・クローク)

(前回からの続き)

カカアラネオのフェザー・クローク

「アフ・オ・カカアラネオ」の名で知られる最初のフェザー・クロークは、
ビショップ博物館が所有している、と言われています(*1)(N.1)。

それはある時、ナヒエナエナ王女により公式行事において、パーウー(スカート)として使われました。
王女はカメハメハⅡ世とⅢ世の実の妹です(N.2)。


網に羽を編み込んで作る

古代ハワイのアフウラは目の細かい網で出来ており、それに編み込まれた羽で完全に覆われています。
それらの模様は全体が単色1種、または2、3種の異なる色で縁取りされています。

羽は2、3枚まとめて、オロナで作ったより糸で結び付けます。この作業をウオと呼びます。


次に、この羽の束(たば)を、ベースとなる網に編み込んで行きます。
なおその網は、形状と寸法を厳しくチェックしながら、前もって作っておきます。

大変な労力だが耐久性も良い

フェザー・クローク作りの全プロセスは、労力を要する上に複雑な作業です。
そのため1つのクロークを完成させるにも、大変な年月を要します。

そして耐久性はどうかと言えば、カカアラネオのクロークを見れば良くわかります。
何しろ、このクロークは何百年も前に出来たのですから。

(終わり)
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(ノート)
(N.1) アフ・オ・カカアラネオ(Ahu o Kakaalaneo):
「アフ・オ・カカアラネオ」の、「アフ」は「アフウラ」の短縮形、「オ」は所有を示す前置詞、そして「カカアラネオ」はマウイ島の王の名前です。そして「アフウラ」は、鳥の羽で飾ったマント、すなわち「フェザー・クローク」です。
これらから、「アフ・オ・カカアラネオ」とは、「王カカアラネオのフェザー・クローク」を意味することがわかります。
(N.2) ナヒエナエナ(Nahienaena):
ナヒエナエナは、1815年、カメハメハ大王と聖なる妻ケオプオラ二(Keopuolani)の間に生まれた王女です。

(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, 14. Ahuula ; A Legend of Kanikaniaula and the First Feather Cloak, Mrs. E.M.Nakuina.