234 カペエペエカウイラ(18. 最後はカナの勝利)

(前回からの続き)

戦いの準備は万全だ

こうしてカナは遂に、太く頑強な体を獲得したのでした(*1)。
そこで彼はふたたび、カペエペエカウイラと戦うための準備を始めました。


食料はワイピオ渓谷から大量に集めました。
準備が調(ととの)うと彼らは再びカヌーに乗り込み、モロカイ島のハウプに戻って来ました。

ところで、祖母ウリは前もって、カナにこう教えてありました。
「ハウプに着いたらまず一番始めに、カマニの木の枝という枝を、残らずぶった切るんだよ。」

頑強なカナがハウプに姿を現す

太く頑強になったカナが、戦いの地ハウプに姿を現しました。

そして前の時と同じように、脚を上方に伸ばし始めました。
彼の体はどんどん伸び続け、やがて断崖絶壁を上から見下ろすまでになりました。

カペエペエカウイラの敗北

これを見たカペエペエカウイラは、またカマニ木の枝を切り落とそうと急ぎました。
そうすれば前の時のように、断崖絶壁が隆起して高くなる、と思ったからです。

ところがです、見て下さい。
切り落とそうとした枝が、1本残らず消えてしまったのです!

もう、これで終わりでした。
遂にカナは、カペエペエカウイラに勝ったのでした。

今に残る 「カナの岩」

勝ち誇ったカナは、彼の姉妹モイを取り返しました。
そして可愛そうなハカラニレオには、妻ヒナを取り返してあげました。

さらに彼はハウプの断崖絶壁を、ばらばらに壊してしまいました。
そしてその大きな岩塊を、海の中に蹴落(けお)としたのです。


その時の岩塊群は、今でも海中にそびえ立っています。
そして人々はそれを、「カナの岩」 と呼んでいます。

(終わり)
[目次へ戻る]

(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅷ. Kapeepeekauila; or, The Rock of Kana. Rev. A.O. Forbes, p.63-73.