(新しいお話の始め)
これを読めば、ハワイの伝説ではフクロウが活躍することが良くわかります。
ある日、彼は、自分の家の屋根を葺(ふ)く材料を取りに、ケワロに行きました。
その帰り道、彼はフクロウの卵をいくつか見つけました。
彼はその卵を寄せ集めて、家に持ち帰りました。
その夕方、カポイは卵をティーの葉に包みました。
それを熱い灰の中に入れて、じっくり温めようとしたのです。
一羽のフクロウが慌(あわ)てて飛んで来て、カポイの家の囲いの上に止まりました。
そして大声で叫びました。
「あー、カポイ。私の卵を返して!」
そこで、カポイがフクロウに尋ねました。
「一体、いくつ卵を持っていたの?」
「七つ、」 とフクロウが答えました。
するとカポイが言いました。
「いやあ、この卵を温めて夕ごはんにしたいんだ。」
しかしカポイの答えは、前と同じでした。
そこでフクロウは、こう言いました。
「おー、何と薄情なカポイ!
なぜ私の気持ちを分かってくれないの?
私の卵を返して。」
(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) このお話しの著者(J.M.Poepoe);
このお話しの著者はポエポエ(Joseph Mokuohai Poepoe(1852-1913))です。
彼はハワイ島コハラのホノマカウに生まれ、著述家・編集者・弁護士そして政治家として活動しました。
また、カラカウア家(王朝)に近く、ハワイの伝統的な言語・文化・知識を守り発展させようとしたことで、知られています。
(N.2) カヘフナ(Kahehuna), ケワロ(Kewalo) ;
カヘフナとケワロは、オアフ島のホノルル(Honolulu)南部で、海寄りにある場所の名前です。
ここでホノルルとは、かつてオアフ島コナ・モク(Kona Moku)内にあった、アフプアア(Ahupua'a))の一つです。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, 19. Battle of the Owls, Jos. M. Poepoe, p.200-202.
はじめに
ここでご紹介するお話しは、かつてハワイで人気が高かった動物伝説の中でも、特に魅力的なものの一つです(N.1)(*1)。これを読めば、ハワイの伝説ではフクロウが活躍することが良くわかります。
カポイがフクロウの卵を持ち帰る
その昔、ホノルルのカヘフナと言う所に、カポイという名の男が住んでいました(N.2)。ある日、彼は、自分の家の屋根を葺(ふ)く材料を取りに、ケワロに行きました。
その帰り道、彼はフクロウの卵をいくつか見つけました。
彼はその卵を寄せ集めて、家に持ち帰りました。
その夕方、カポイは卵をティーの葉に包みました。
それを熱い灰の中に入れて、じっくり温めようとしたのです。
私の卵を返して!
すると、ちょうどその時です。一羽のフクロウが慌(あわ)てて飛んで来て、カポイの家の囲いの上に止まりました。
そして大声で叫びました。
「あー、カポイ。私の卵を返して!」
そこで、カポイがフクロウに尋ねました。
「一体、いくつ卵を持っていたの?」
「七つ、」 とフクロウが答えました。
するとカポイが言いました。
「いやあ、この卵を温めて夕ごはんにしたいんだ。」
私の気持ちを分かって!
フクロウは再び、卵を返して欲しい、と頼みました。しかしカポイの答えは、前と同じでした。
そこでフクロウは、こう言いました。
「おー、何と薄情なカポイ!
なぜ私の気持ちを分かってくれないの?
私の卵を返して。」
(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) このお話しの著者(J.M.Poepoe);
このお話しの著者はポエポエ(Joseph Mokuohai Poepoe(1852-1913))です。
彼はハワイ島コハラのホノマカウに生まれ、著述家・編集者・弁護士そして政治家として活動しました。
また、カラカウア家(王朝)に近く、ハワイの伝統的な言語・文化・知識を守り発展させようとしたことで、知られています。
(N.2) カヘフナ(Kahehuna), ケワロ(Kewalo) ;
カヘフナとケワロは、オアフ島のホノルル(Honolulu)南部で、海寄りにある場所の名前です。
ここでホノルルとは、かつてオアフ島コナ・モク(Kona Moku)内にあった、アフプアア(Ahupua'a))の一つです。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, 19. Battle of the Owls, Jos. M. Poepoe, p.200-202.