(新しいお話の始め)
そのうちの一つがラナイ島の南西部にあり 、「クパパウ・オ・プウペヘ」、すなわち 「プウペヘの墓」 の名で知られています(N.1)。
この「プウペヘの墓」 は島の風下海岸にあり、そこには、巨大な赤い溶岩の塊が見えます(N.2)。
高さが約25m、直径は20mほどで、海の中から突き出ており、本土の陸地からは100mほど離れています。
このあたりが、これからお話する伝説の、舞台の中心になります。
そこからあの巨大な岩塊、海面から突き出た小島の、天辺(てっぺん)を良く観察してご覧なさい。
石を並べて作った低くて小さな囲い、に気付くでしょう。
これがあるハワイの少女の永眠の地だ、と言われています。
そして死体をここに埋めたのは、彼女が愛するラナイ島の戦士、マカケハウでした。
そしてこの首長は、マウイの王の従者の一人でした。
プウペへは、愛と戦いのご褒美(ごほうび)として、若きマカケハウに勝ち取られたのでした。
プウペヘのカニカウ(追悼歌)では、2人が互いに相手を恋の虜(とりこ)にしたように、描かれています。
(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) プウペヘの墓(Tomb of Puupehe):
「プウペヘの墓」は、しばしば 「プウペへ (スイートハート・ ロック)」 などと呼ばれています。
(N.2) 風下(leeward):
ハワイ諸島は北半球の貿易風圏内にあるため、常に北東の風が吹いています。人々はこの風をベースにして、島の北東部を風上(windward)、南西部を風下と呼んでいます。「プウペヘの墓」は、島の南西部にあるので風下です。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907):Hawaiian Folk Tales, 16. The Tomb of Puupehe, A Legend of Lanai, From "The Hawaiian Gazette", p.181-185.
伝説「プウペヘの墓」 の地
ハワイには、古い歌や昔話で有名な、興味深い伝説の地が幾つもあります(*1)。そのうちの一つがラナイ島の南西部にあり 、「クパパウ・オ・プウペヘ」、すなわち 「プウペヘの墓」 の名で知られています(N.1)。
この「プウペヘの墓」 は島の風下海岸にあり、そこには、巨大な赤い溶岩の塊が見えます(N.2)。
高さが約25m、直径は20mほどで、海の中から突き出ており、本土の陸地からは100mほど離れています。
このあたりが、これからお話する伝説の、舞台の中心になります。
岩塊上に少女が眠る
このプウペヘを見下ろすように、陸地から断崖絶壁が張り出しています。そこからあの巨大な岩塊、海面から突き出た小島の、天辺(てっぺん)を良く観察してご覧なさい。
石を並べて作った低くて小さな囲い、に気付くでしょう。
これがあるハワイの少女の永眠の地だ、と言われています。
そして死体をここに埋めたのは、彼女が愛するラナイ島の戦士、マカケハウでした。
プウペへとマカケハウの悲哀
プウペへは下級首長ウアウアの娘でした。そしてこの首長は、マウイの王の従者の一人でした。
プウペへは、愛と戦いのご褒美(ごほうび)として、若きマカケハウに勝ち取られたのでした。
プウペヘのカニカウ(追悼歌)では、2人が互いに相手を恋の虜(とりこ)にしたように、描かれています。
(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) プウペヘの墓(Tomb of Puupehe):
「プウペヘの墓」は、しばしば 「プウペへ (スイートハート・ ロック)」 などと呼ばれています。
(N.2) 風下(leeward):
ハワイ諸島は北半球の貿易風圏内にあるため、常に北東の風が吹いています。人々はこの風をベースにして、島の北東部を風上(windward)、南西部を風下と呼んでいます。「プウペヘの墓」は、島の南西部にあるので風下です。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907):Hawaiian Folk Tales, 16. The Tomb of Puupehe, A Legend of Lanai, From "The Hawaiian Gazette", p.181-185.