(前回からの続き)
彼女の肌はつややかな褐色で、しみ一つありませんでした。
そして、あのハレアカラ山から昇る鮮やかな太陽のように、まぶしく輝いていました。
彼女の髪はレフナの花輪で束ねられ、カールしながら垂れ下がっていました。
彼女が走りはじめると、その髪は流れるように前方に揺れました。
それはちょうど、打ち寄せる波の峰が白く砕け、すうーっと飛び出すようでした。
この光り輝く瞳が、ある若き戦士の心を惑わせたのです。
こうして彼は、ハワイ語で 「マカケハウ」、すなわち「涙でかすんだ目」 と呼ばれるようになりました。
このハワイの勇者は、愛するプウペへがあまりにも美しいことを、不安に思っていました。
そして、この地に住む首長たちに奪い取られまいと、彼女を密かに監禁したのでした。
彼の魂が、彼女の全てを独占しようと、強く望んだのです。
(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907):Hawaiian Folk Tales, 16.The Tomb of Puupehe, A Legend of Lanai, From "The Hawaiian Gazette", p.181-185.
甘い香りの乙女(おとめ)プウペへ
うら若き乙女プウペへは、甘い香りの花のように、魅力あふれるハワイ美人でした。彼女の肌はつややかな褐色で、しみ一つありませんでした。
そして、あのハレアカラ山から昇る鮮やかな太陽のように、まぶしく輝いていました。
彼女の髪はレフナの花輪で束ねられ、カールしながら垂れ下がっていました。
彼女が走りはじめると、その髪は流れるように前方に揺れました。
それはちょうど、打ち寄せる波の峰が白く砕け、すうーっと飛び出すようでした。
涙でかすんだ目のマカケハウ
ウアウアの美しい娘プウペへの瞳(ひとみ)は、星のようにきらきらと輝いていました。この光り輝く瞳が、ある若き戦士の心を惑わせたのです。
こうして彼は、ハワイ語で 「マカケハウ」、すなわち「涙でかすんだ目」 と呼ばれるようになりました。
このハワイの勇者は、愛するプウペへがあまりにも美しいことを、不安に思っていました。
そして、この地に住む首長たちに奪い取られまいと、彼女を密かに監禁したのでした。
彼の魂が、彼女の全てを独占しようと、強く望んだのです。
(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907):Hawaiian Folk Tales, 16.The Tomb of Puupehe, A Legend of Lanai, From "The Hawaiian Gazette", p.181-185.