(前回からの続き)
「カルルの澄みきった海へ行こう!
そこで、一緒に魚を捕(と)ろう、カラやアクを釣るんだ。
それから私は、槍でカメを突いて捕(つか)まえよう。
それとも一緒にパラワイの大渓谷で暮らそうか?
そこで、あのウアウ鳥の雛(ひな)を食べるんだ(N.1)!
ティー(キー)の葉に包んで、甘いパラのシダの根と一緒に、イムで蒸し焼きにしよう(N.2)。
山で採れるオヘロが、私の愛をリフレッシュしてくれるだろう。
そして2人で、マウナ・レイの冷たいミネラル・ウォーターを飲むんだ。
そして私たちは、夜空の星たちが消え失せるまで、ずーっと愛し続けるんだ。」
2人はそこで、まぶしく輝くイイヴィ鳥(ベニ・ハワイミツスイ)や、深紅色のアパパネ(アカ・ハワイミツスイ)を捕まえました。
ああ、何という甘い喜びでしょう!
このワイアケアクアのバナナ林の中で、愛し合う2人はこう信じたのです。
「自分たち以上に美しいものなど、この世の中にあるはずがない。」
やがてそれが、少しずつひどくなってきます。
そして最後には2人は海で溺(おぼ)れ、永遠に目を閉じることになるのです。
(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) ウアウ(uwau):
ウアウは、ハワイ語が ʻuaʻu または ʻuwaʻu の鳥で、和名はハワイシロハラミズナギドリ、学名はPterodroma sandwichensisです。大形で暗灰褐色の鳥類でハワイの固有種です。
かつてのハワイでは、ウアウの雛(ひな)は 大変なご馳走と言われていたそうです。
(N.2) 焼く(bake):
ここで言う「焼く」とは、イム(imu)と呼ばれる地中オーブンを使って、蒸し焼きにすることです。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907):Hawaiian Folk Tales, 16.The Tomb of Puupehe, A Legend of Lanai, From "The Hawaiian Gazette", p.181-185.
カルルの豊かな海
彼はこう言いました。「カルルの澄みきった海へ行こう!
そこで、一緒に魚を捕(と)ろう、カラやアクを釣るんだ。
それから私は、槍でカメを突いて捕(つか)まえよう。
パラワイの大渓谷
あなたを、最愛のあなたを永遠に、マラウエアの洞穴に隠そう。それとも一緒にパラワイの大渓谷で暮らそうか?
そこで、あのウアウ鳥の雛(ひな)を食べるんだ(N.1)!
ティー(キー)の葉に包んで、甘いパラのシダの根と一緒に、イムで蒸し焼きにしよう(N.2)。
山で採れるオヘロが、私の愛をリフレッシュしてくれるだろう。
そして2人で、マウナ・レイの冷たいミネラル・ウォーターを飲むんだ。
カオハイの隠れ家
カオハイの雑木林では、小屋に草を葺(ふ)いて2人の休憩所にしよう。そして私たちは、夜空の星たちが消え失せるまで、ずーっと愛し続けるんだ。」
2人は最高に幸せだった
このメレはプロウ渓谷での、彼らの愛を歌ったものです。2人はそこで、まぶしく輝くイイヴィ鳥(ベニ・ハワイミツスイ)や、深紅色のアパパネ(アカ・ハワイミツスイ)を捕まえました。
ああ、何という甘い喜びでしょう!
このワイアケアクアのバナナ林の中で、愛し合う2人はこう信じたのです。
「自分たち以上に美しいものなど、この世の中にあるはずがない。」
彼らの目は次第にかすみ閉じた
しかし間もなくすると、滲(にじ)み出る涙により、彼らの目はかすんできます。やがてそれが、少しずつひどくなってきます。
そして最後には2人は海で溺(おぼ)れ、永遠に目を閉じることになるのです。
(次回に続く)
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(ノート)
(N.1) ウアウ(uwau):
ウアウは、ハワイ語が ʻuaʻu または ʻuwaʻu の鳥で、和名はハワイシロハラミズナギドリ、学名はPterodroma sandwichensisです。大形で暗灰褐色の鳥類でハワイの固有種です。
かつてのハワイでは、ウアウの雛(ひな)は 大変なご馳走と言われていたそうです。
(N.2) 焼く(bake):
ここで言う「焼く」とは、イム(imu)と呼ばれる地中オーブンを使って、蒸し焼きにすることです。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907):Hawaiian Folk Tales, 16.The Tomb of Puupehe, A Legend of Lanai, From "The Hawaiian Gazette", p.181-185.