325 カリウワア. 半神カマプアアが-- (12.ペレに祈りを捧げる)

(前回からの続き)

2人は仲睦(むつ)まじく過ごした

この他にもカマプアアについては、数多くのことが知られています(*1)。
しかしそれらは、ここでご紹介したお話しとは関連がありません。

ですからここでは、次のことだけ触れておけば十分でしょう。

すなわち伝承によると、カマプアアは間違いなくあの火山を征服したのです。
そしてその時、女神ペレは彼の妻になったのです。

彼らはそれ以来、仲睦まじく一緒に過ごしたに違いありません。

だからもう巨大噴火は無い

だからこそもうこれ以上、島が出来ることは無いのです。
別の言い方をすれば、彼女が結婚したその後は、巨大噴火が起きていないのです。

というのは、沸き立ち荒れ狂う溶岩(ラバ)こそが、彼女が敵と戦う時の、最も強力な武器だったからです。
そしてその溶岩の量は膨大で、島全体を大きくするほど、更には新しい島々を産み出すほどでした。


ペレに祈りを捧げる

今でもあの滝を訪れた観光客たちは、異様で崇高なものを恐れ敬(うやま)う雰囲気に包まれます。
そして滝の周辺はもうしっかりと、地元の人々の世界になりきっているのです。

最近この地を訪れたあるパーティは、こう述べています。
「私達があの滝に着いた時、『滝を司(つかさど)る女神に、捧げ物をして下さい。』と言われたのです。」

そしてこの儀式は、正統なハワイアン スタイルで執り行われました。
すなわち彼らは、1、2枚の大きな葉の上に、小さな山型に石を積み上げました。

こうすることで、自分たちを落石から守ってもらおうとしたのです。
もしもこの儀式を行わなければ、きっと彼らに落石が襲いかかったことでしょう。


(終わり)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 18. Kaliuwaa. Scene of the Demigod Kamapuaa's Escape from Olopana. From "The Hawaiian Spectator", p.193-199.