(前回からの続き)
そして、この魚の神(クウラ)が、アナエをお授け下さったのです。
イフオパラアイの妹は婿(むこ)をもらいました。
そして2人はコオラウロアのライエに行き、そこで一緒に暮らしていました。
悲嘆に暮れて、そして何かを欲する気持ちの中で、彼女は兄のことを思い出しました。
そこで彼女はイフオパラアイから魚をもらおうと思い、こう言って夫をホノウリウリへ行かせました。
「私の兄であるイフオパラアイの所へ行って、魚が欲しいとお願いして下さい。
そしてもしも彼が、干物の魚を上げましょうと言ったら、
絶対に断るのです。-- 受け取ってはいけません。
なぜならあまりにも距離があり過ぎるからです。
そのため、私達が長期間持ちこたえるに十分な魚を運ぶことは、恐らく出来ないでしょう。」
すると彼の義兄は、魚の干物の大きな束を差し出しました。
そのうちの1つは余りにも重かったので、遠方まで運ぶのはもち論のこと、うまく持ち上げることさえも出来ませんでした。
そこで彼はこの贈り物を辞退し、妻の指示通りに 「干物の魚ではだめなのです。」 と答えました。
イフオパラアイは、暫(しばらく)の間、座って考えていました。
それからこう言いながら、家に帰るように命じました。
「この島のコナ(風下)側の道を行きなさい。
あなたの持ち家に着くまでは、途中で腰を下ろしたり、どこかに留(とど)まったり、また眠ったりしてはいけません。」
(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 25. Fish Stories and Superstitions, Translated by M. K. Nakuina, p.269-274.
イフオパラアイと魚の神
イフオパラアイにはクウラがついていました(*1)。そして、この魚の神(クウラ)が、アナエをお授け下さったのです。
イフオパラアイの妹は婿(むこ)をもらいました。
そして2人はコオラウロアのライエに行き、そこで一緒に暮らしていました。
干物の魚はだめですよ
そんなある日のこと、魚が一匹も捕れませんでした。悲嘆に暮れて、そして何かを欲する気持ちの中で、彼女は兄のことを思い出しました。
そこで彼女はイフオパラアイから魚をもらおうと思い、こう言って夫をホノウリウリへ行かせました。
「私の兄であるイフオパラアイの所へ行って、魚が欲しいとお願いして下さい。
そしてもしも彼が、干物の魚を上げましょうと言ったら、
絶対に断るのです。-- 受け取ってはいけません。
なぜならあまりにも距離があり過ぎるからです。
そのため、私達が長期間持ちこたえるに十分な魚を運ぶことは、恐らく出来ないでしょう。」
コナ側の道を行きなさい
彼女の夫は、ホノウリウリに着くとイフオパラアイの所へ行き、魚が欲しいと頼みました。すると彼の義兄は、魚の干物の大きな束を差し出しました。
そのうちの1つは余りにも重かったので、遠方まで運ぶのはもち論のこと、うまく持ち上げることさえも出来ませんでした。
そこで彼はこの贈り物を辞退し、妻の指示通りに 「干物の魚ではだめなのです。」 と答えました。
イフオパラアイは、暫(しばらく)の間、座って考えていました。
それからこう言いながら、家に帰るように命じました。
「この島のコナ(風下)側の道を行きなさい。
あなたの持ち家に着くまでは、途中で腰を下ろしたり、どこかに留(とど)まったり、また眠ったりしてはいけません。」
(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 25. Fish Stories and Superstitions, Translated by M. K. Nakuina, p.269-274.