337 旧約聖書の歴史に似た伝説 (3. 人類の祖先を造る)

(前回からの続き)

カネ神をモデルに人を造る

最後に、彼らは人を創造しました(*1)。
それはカネをモデルにして、姿かたちが似ているように造られました。

最初の人体は、赤土と神々の唾液(だえき)で造られました。
--- ここで、赤土をハワイ語で言うと 「レポ ウラ」又は「アラエア」、また、神々の唾液は「ワイ ナオ」です。

一方、頭部は白っぽい色の粘土--パロロ(ハワイ語)--で造られました。
その粘土は、遥(はる)か彼方の地の果てから、ロノ神が持ち帰ったものでした。

カネを模した土像が出来上ると、3神たちはその鼻に息を吹き込み、立ち上がるように命じました。
こうして、土の像は生き物になったのでした。


人のあばら骨から女性を造る

その後で、最初の女性が創造されました。
彼女は、最初に造られた人が眠っている間に、その男のあばら骨--ラロ プハカ(ハワイ語)--から造られました。

ということで、これらの2人こそが、全人類の祖先だったのです。

チャント(聖歌)や色々な伝説の中で、彼らはさまざまな名で呼ばれています。
しかし最も一般的な名前は、男性がクムホヌア、そして女性はケオラクホヌア(又はララホヌア)です。


(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 1. Legends Resemblng Old Testament History. By C. M. Hyde, p.15-30.