(前回からの続き)
「もしも彼の治療がなかったら、あの病いに苦しむ人たちは、死んでしまったに違いない。」
そこでミルは使者を出して、ロノプハに伝言を送りました。
ミルの家に着いたロノプハは直ぐに、ミルの健康状態を診(み)たり、手で触って確かめたりしました。
それから、ミルにこう言いました。
「もしも私の言う通りにすれば、如何なる病気にもならないでしょう。」
そして彼は、ミルに施術(せじゅつ)を行い始めました。
こうして彼が施(ほどこ)した医学的処置のお陰で、ミルは健康を取り戻しました。
「私の治療はこれで終わりです。
これまで貴方が苦しんで来た体内の病気が完治し、今の貴方は健康です。
そして唯一、体外から来る病いだけが、残っています。
今や貴方は活力を取り戻すために、木の葉で葺いた家を造り、その中で数週間、静かに過ごさなければなりません。」
このような家はピピピと呼ばれています。
そこは、予想外の何かが起きない限り、回復期の処置を施すために、患者が移される場所です。
(次回に続く)
[目次へ戻る]
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅵ. Lonopuha; or Origin of the art of Healing in Hawaii. Translated by Thos. G. Thrum, p.51-57.
ミル王の侍医になる
ある時ミルは 、腕の立つヒーラーと伝えられる、ロノプハの評判を耳にしました(*1)。「もしも彼の治療がなかったら、あの病いに苦しむ人たちは、死んでしまったに違いない。」
そこでミルは使者を出して、ロノプハに伝言を送りました。
ミルの家に着いたロノプハは直ぐに、ミルの健康状態を診(み)たり、手で触って確かめたりしました。
それから、ミルにこう言いました。
「もしも私の言う通りにすれば、如何なる病気にもならないでしょう。」
そして彼は、ミルに施術(せじゅつ)を行い始めました。
こうして彼が施(ほどこ)した医学的処置のお陰で、ミルは健康を取り戻しました。
王の治療が終わる
そこでロノプハはミルに言いました。「私の治療はこれで終わりです。
これまで貴方が苦しんで来た体内の病気が完治し、今の貴方は健康です。
そして唯一、体外から来る病いだけが、残っています。
今や貴方は活力を取り戻すために、木の葉で葺いた家を造り、その中で数週間、静かに過ごさなければなりません。」
このような家はピピピと呼ばれています。
そこは、予想外の何かが起きない限り、回復期の処置を施すために、患者が移される場所です。
(次回に続く)
[目次へ戻る]
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅵ. Lonopuha; or Origin of the art of Healing in Hawaii. Translated by Thos. G. Thrum, p.51-57.