370 ロノプハ(7.ミル王に警告する)

(前回からの続き)

ロノプハの警告

ミルがその家に移るに際して、ロノプハはミルにこう助言しました(*1)。
「おお、王よ! 貴方(あなた)は定められた期間、完全に平静な状態で、この家に住まなければなりません。

ですから、万一ここで娯楽に興じた人々が、大騒ぎを始めたとしましょう。
そんな時、貴方はその騒ぎを無視するよう、警告しておきます。

なぜならそれは、貴方の死につながる災(わざわ)いの前兆だからです。

そして、私は貴方に助言します。


たとえその様子を知りたくても、家のティー・リーフに隙間(すきま)を開けて、外を覗(のぞ)いてはいけません。
なぜなら隙間を開けたその日、まさにその日に、貴方は非業(ひごう)の死を遂げるからです。 」

2羽の鳥が現れる

それはカフナの指示により王が家に閉じ込められてから、約2週間経つか経たないうちのことでした。

王の住まいの近くで、あちこちから騒がしい音が聞こえて来ました。
しかし王は、その日一日ずーっと、神官の助言に注意を払い、それに従っていました。

この騒ぎの原因は、2羽の鳥が現れて大空を飛び回ったことでした。
鳥たちが人々をあまりにも興奮させたので、その日一日中、人々は鳥たちに声援を送り続けたのでした。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅵ. Lonopuha; or Origin of the art of Healing in Hawaii. Translated by Thos. G. Thrum, p.51-57.