(新しいお話の始め)
生まれ出た時、彼は息をしませんでした。
両親は悩み苦しんだ末、彼の体をきれいに洗うと、素晴らしい衣装で盛装させました。
それから数日間、彼らは心配そうに我が子を見守り続けました。
その後この子が死んでいると判断すると、断崖絶壁の表面にある小さな洞窟の中に安置しました。
その体は夏の月イキキ(7または8月)から、冬の月イクア(12または1月)までの6ヶ月間、そこに留(とど)まっていました。
それと同時にあの洞窟の入口を跨(また)ぐように、8つの虹がアーチ状に架かる、という不思議な現象が見られるのでした。
両親は嵐が荒れ狂う音の中に、人の声を聞きました。
それは目を覚ましたあの子が、彼らに呼びかけている声でした。
「どうか、あなた方の愛情を私に注いで下さい。
おー、私の両親よ。あなた方は私を放り出した。
あなた方は、穴だらけの断崖絶壁に私を置き去りにした。
あなた方は無常にも、熱帯鳥が飛び交う断崖絶壁の洞窟の中に私を置いた!
おー、ワイアアライア、我が母よ!
おー、ワイマヌ、我が父よ!
ここに来て私を連れて行って下さい!」
(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, IX. Kalelealuaka. Dr. N. B. Emerson, p.74-106.
カオペレの生と死
カオペレはハワイ島のワイピオ渓谷で生まれました。生まれ出た時、彼は息をしませんでした。
両親は悩み苦しんだ末、彼の体をきれいに洗うと、素晴らしい衣装で盛装させました。
それから数日間、彼らは心配そうに我が子を見守り続けました。
その後この子が死んでいると判断すると、断崖絶壁の表面にある小さな洞窟の中に安置しました。
その体は夏の月イキキ(7または8月)から、冬の月イクア(12または1月)までの6ヶ月間、そこに留(とど)まっていました。
嵐の中で我が子の声を聞く
彼らはこの時期になると、雷鳴と稲妻を伴う激しい嵐、そして地震の地鳴りに驚かされました。それと同時にあの洞窟の入口を跨(また)ぐように、8つの虹がアーチ状に架かる、という不思議な現象が見られるのでした。
両親は嵐が荒れ狂う音の中に、人の声を聞きました。
それは目を覚ましたあの子が、彼らに呼びかけている声でした。
「どうか、あなた方の愛情を私に注いで下さい。
おー、私の両親よ。あなた方は私を放り出した。
あなた方は、穴だらけの断崖絶壁に私を置き去りにした。
あなた方は無常にも、熱帯鳥が飛び交う断崖絶壁の洞窟の中に私を置いた!
おー、ワイアアライア、我が母よ!
おー、ワイマヌ、我が父よ!
ここに来て私を連れて行って下さい!」
(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, IX. Kalelealuaka. Dr. N. B. Emerson, p.74-106.