384 カレレアルアカ(5.生贄としてカウアイ島へ)

(前回からの続き)

4度目の挑戦もオアフ島

それでも彼は大望を諦(あきら)めようとせずに、今度はラフイマロに行きます(*1)。
そこもまたオアフ島ですが、彼はそこでもう1つの食用の作物を植えます。

6ヶ月が過ぎて彼は今まさに、労働の成果である作物を食べようとしています。
そんなある日、水浴びをしようと川に飛び込んだ時、彼は何時(いつ)ものトランス状態に陥(おちい)ります。

魂が抜け出た彼の体(からだ)は、川の流れに乗って海まで押し流され、さらには海中を漂ってオアフ島ワイアルアの、マエアエアという所の砂浜に打ち上げられます。


生贄(いけにえ)としてカウアイ島へ

一方、ちょうど同じ時期に、1人の男が人間の体を探しに、カウアイ島からやって来ました。
彼はそれを生贄として、カウアイ島ワイルアにある、カヒキハウナカ神社に奉納したいのです。

たまたま砂浜でカオペレの遺体を見かけた彼は、ワイアルアの領主(コノヒキ)に願い出て、それを持ち帰る許可を得ます。

こうして偶然にもカオペレは、カヌーでカウアイ島に連れて行かれることになります。
そして、もう一人の遺体と共に、ワイルアの神社の祭壇の上に置かれます。

彼はそこで、仲間の遺体の骨がバラバラに壊れ始めるまで、横たわっていました。



(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, IX. Kalelealuaka. Dr. N. B. Emerson, p.74-106.