388 カレレアルアカ(9.魚釣りも農業も凄いぞ)

(前回からの続き)

海に魚釣りに行く

その翌朝、まだまだ朝が早く、彼の妻が眠っている間に、再びカオペレが起き上がりました(*1)。
そして近所の家に行くと、釣り針と釣り道具一式を借してもらいました。


それから自分で餌を手に入れると、海に魚釣りに行き、ものすごく沢山の魚を取りました。
家に帰る途中、彼は釣り道具を借りた家に寄って道具を返し、そのお礼に、取った魚を半分あげました。

家に着くと彼は荷物の魚をドスンと地面に投げ置いたので、その音で彼の妻と両親が目を覚ましました。

魚釣りも農業も凄(すご)いぞ

「あなたは魚釣りをしていたのですね。」 と妻が言いました。
「私はあなたが、また現場に働きに行ってしまった、と思ったので、そこへ上って行ったのですが、あなたはいませんでした。

それはそうと、あなたは何と広大な農園開拓を始めたことでしょう!
まあ、あの平原がまるごと全部、農園に変わってしまったわ。」

彼の義理の父はこう言いました。
「物凄(ものすご)く沢山の魚だ、息子よ、やったぞ。」

農作物が実を結ぶ前まで、彼らはこんな風に生活して来ました。

そしてある日、どうやら間違いなく赤ちゃんが出来た妻に、カオペレが言いました。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, IX. Kalelealuaka. Dr. N. B. Emerson, p.74-106.