389 カレレアルアカ(10.妻に自分を明かす)

(前回からの続き)

妻に自分の習性を明かす

「もしも生まれて来る子が男の子なら、カレレアルアカと名付けなさい(*1)
しかしもしも女の子なら、君の家系の名から君の好きなように、名前を付けなさい。」

この彼の話を聞いて、彼女は不安になり、そして疑いの気持ちを抱いて、こう言いました。
「アア! あなたは私を捨てるつもり?」

そこでカオペレが彼の妻に説明しました。
-- 世の男たちはよく妻を見捨てるが、自分は絶対に君を捨てたりしない。

けれども自分は、 ある習性が間もなく顕(あらわ)になる、という予感がする。
そしてどうやら明日の夜、自分は深い眠りに入る(プニ カ ヒアモエ)ようだ。

その眠りというのは、6ヵ月間続く。 
こういうことだから、君は恐れてはいけない。

そして彼が言いました。
「私をのけ者にしたり、地中に埋めたりするんじゃないぞ。」

経緯(いきさつ)を語り愛を誓う

それから、彼は彼女に詳しく説明しました。
-- どのようにして、オアフ島からカウアイ島へ連れて来られる事になったのか、
そして、どのようにして彼女の夫になったのか、を。

その上で、彼は彼女にこう命じました。
「私の言葉を注意深く聞き、何があろうと私に従いなさい。」

その後、彼らは互いに愛を誓い合い、眠ることも無く一晩中ずーっと、話し続けたのでした。


(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, IX. Kalelealuaka. Dr. N. B. Emerson, p.74-106.