(前回からの続き)
「王の長女が身に着けているフェザー・クロークとヘルメットは、第1日目の戦闘でクアリイの大将から奪い取った物、そして、王の次女が身に着けているのは、第2日目の戦闘で大将から奪ったもの、一方、カレレアルアカ自身のそれは、第4日目の戦闘で殺された大将から奪ったものです。
恐らく、王は生き延びるでしょう。しかし、ことによると私は死ぬでしょう。何故なら彼はもう、私を運ぶのにうんざりしていますから。」
足の不自由な元帥は、カレレアルアカが近づいてくる間、ずーっと彼を称賛し続けていました。
それからこの英雄に話しかけて、こう言いました。
「私はあなたを知っています、以前、会ったことがありますから。
さあ、あなたの左腕を出して長槍で負った傷を、王とここに集まった全ての人々に見せて下さい。」
そこでカレレアルアカが左腕を露(あら)わにして傷を見せると、大勢の人々がびっくり仰天しました。
これを見て、直ぐさま王カクヒヘワが言いました。
「カレレアルアカと我が娘たちよ、あなた方がこの王国を治めなさい。
そして、私はあなた方の下(もと)で、一平民になろう。」
それから新たに土地の割り付けが行われて、以後、カクヒヘワが亡くなるまで、この国はずっと平和でした。
そしてまたカレレアルアカも、彼が亡くなるまで平和に暮らしました。
(終わり)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, IX. Kalelealuaka. Dr. N. B. Emerson, p.74-106.
「王の長女が身に着けているフェザー・クロークとヘルメットは、第1日目の戦闘でクアリイの大将から奪い取った物、そして、王の次女が身に着けているのは、第2日目の戦闘で大将から奪ったもの、一方、カレレアルアカ自身のそれは、第4日目の戦闘で殺された大将から奪ったものです。
恐らく、王は生き延びるでしょう。しかし、ことによると私は死ぬでしょう。何故なら彼はもう、私を運ぶのにうんざりしていますから。」
足の不自由な元帥は、カレレアルアカが近づいてくる間、ずーっと彼を称賛し続けていました。
それからこの英雄に話しかけて、こう言いました。
「私はあなたを知っています、以前、会ったことがありますから。
さあ、あなたの左腕を出して長槍で負った傷を、王とここに集まった全ての人々に見せて下さい。」
そこでカレレアルアカが左腕を露(あら)わにして傷を見せると、大勢の人々がびっくり仰天しました。
これを見て、直ぐさま王カクヒヘワが言いました。
「カレレアルアカと我が娘たちよ、あなた方がこの王国を治めなさい。
そして、私はあなた方の下(もと)で、一平民になろう。」
それから新たに土地の割り付けが行われて、以後、カクヒヘワが亡くなるまで、この国はずっと平和でした。
そしてまたカレレアルアカも、彼が亡くなるまで平和に暮らしました。
(終わり)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, IX. Kalelealuaka. Dr. N. B. Emerson, p.74-106.