(前回からの続き)
旅の途中、彼らはワイアルアを通り過ぎて、カワイハパイのカマアイナの家で休みました(*1)(N.1)。
この地で過ごした夜、カフルプエは眠らずに家の外に出て、近くにある魚釣りカヌーを慎重に調べました。
そして、長い航海に向いた大きなカヌーを見つけると、家に戻って父を起こしてこう言いました。
「今夜、一緒にカウアイ島に逃げましょう。そして、カラレアの小高い丘に住みましょう。」
しかしカオプルプルは、この亡命案を丁寧に断わりました。
翌朝、彼らは丘を登り向きを変えて振り返ると、ワイアルアの波しぶきの先から始まって、はるか彼方にあり、ハラの木が溢(あふ)れるカフクまで見渡しました。
そして暫くの間、カオプルプルは故郷への深い愛に心を奪われ、どっと涙が溢(あふ)れ出たために、目の前の故郷が見えなかったに違いありません。
それから、彼らは目的地に向けて進み、カエナ岬を通って、遂にプアアカネオの神社にやって来ました。
この神社の聖なる境界で、カオプルプルは息子に言いました。
「海で泳ごう、そしてマクアの海岸に沿って歩こう。」
こんな風に旅をしながら、彼はある休憩地点で、その言葉から分かるように、真実を率直に話しました。
「お前は何処(どこ)だ、我が子よ?
高位の神官が海でずぶ濡れになった事と引き換えに、ワイアナエからクアロアに至る聖なる地(モオ-カプ)が、あの東方から来た首長に奪い取られてしまうだろう。」
(次回に続く)
[目次へ戻る]
(ノート)
(N.1) カマアイナ(kamaaina):
カマアイナはハワイ語で、その土地で生まれた人、を意味する語です(*2)。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, 20. This Land is the Sea's. Traditional Account of an Ancient Hawaiian Prophecy. Translated from Moke Manu by Thos. G. Thrum, p.203-214.
(*2) Pukui & Elbert(1986);Hawaiian Dictionary, Univ.of Hawaii Press.
旅の途中、彼らはワイアルアを通り過ぎて、カワイハパイのカマアイナの家で休みました(*1)(N.1)。
この地で過ごした夜、カフルプエは眠らずに家の外に出て、近くにある魚釣りカヌーを慎重に調べました。
そして、長い航海に向いた大きなカヌーを見つけると、家に戻って父を起こしてこう言いました。
「今夜、一緒にカウアイ島に逃げましょう。そして、カラレアの小高い丘に住みましょう。」
しかしカオプルプルは、この亡命案を丁寧に断わりました。
翌朝、彼らは丘を登り向きを変えて振り返ると、ワイアルアの波しぶきの先から始まって、はるか彼方にあり、ハラの木が溢(あふ)れるカフクまで見渡しました。
そして暫くの間、カオプルプルは故郷への深い愛に心を奪われ、どっと涙が溢(あふ)れ出たために、目の前の故郷が見えなかったに違いありません。
それから、彼らは目的地に向けて進み、カエナ岬を通って、遂にプアアカネオの神社にやって来ました。
この神社の聖なる境界で、カオプルプルは息子に言いました。
「海で泳ごう、そしてマクアの海岸に沿って歩こう。」
こんな風に旅をしながら、彼はある休憩地点で、その言葉から分かるように、真実を率直に話しました。
「お前は何処(どこ)だ、我が子よ?
高位の神官が海でずぶ濡れになった事と引き換えに、ワイアナエからクアロアに至る聖なる地(モオ-カプ)が、あの東方から来た首長に奪い取られてしまうだろう。」
(次回に続く)
[目次へ戻る]
(ノート)
(N.1) カマアイナ(kamaaina):
カマアイナはハワイ語で、その土地で生まれた人、を意味する語です(*2)。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, 20. This Land is the Sea's. Traditional Account of an Ancient Hawaiian Prophecy. Translated from Moke Manu by Thos. G. Thrum, p.203-214.
(*2) Pukui & Elbert(1986);Hawaiian Dictionary, Univ.of Hawaii Press.