431 この地は海に(12.王に監禁される)

(前回からの続き)


彼らが話していると何と王の家臣たちが、マクアの砂浜に沿って、こちらに近づいて来るではありませんか(*1)。

間もなくすると、彼らの前に家臣たちがやって来て、2人を捕まえると後ろ手に縛り、ワイアナエのプウケアにいる王カハハナの所に連れて行きました。

それから彼ら、すなわち父と息子を、まだ棟(むね)が葺(ふ)いてない、新しい草葺小屋に入れると、1人を端柱(ポウハナ)に、そしてもう1人は隅柱(ポウマヌ)に縛り付けました(N.1)。

神官とその息子がこの新しい小屋に監禁された時、悲惨な結果を生むことも恐れずに、カオプルプルは大きな声で話したので、王をはじめ全ての家臣たちにも、この彼の話しが聞こえました。

「私は息子と一緒にここ、この新しくて未完成の家にいる。
だから我々を殺す王の統治もまた、問題を抱え未完成のままになるであろう。」

この言葉を聞いたカハハナ、すなわち王、の怒りは大変なものでした。」

(次回に続く)
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(ノート)
((N.1) ポウハナ(pouhana), ポウマヌ(poumanu):
ポウハナとポウマヌは共に、草葺小屋を支える柱部材のハワイ語名称として、「端柱」と「隅柱」の直後に括弧書きで付記されています。但し、現代における「隅柱」のハワイ語名称は、 「ポウキヒ(pou kihi)」とされているようです(*2)(*3)。


(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, 20. This Land is the Sea's. Traditional Account of an Ancient Hawaiian Prophecy. Translated from Moke Manu by Thos. G. Thrum, p.203-214.
(*2) Kaua'i County, HI (2025); Kaua'i County Code 1987, §12-2.2 Amend. to the Int. Building Code, (68) Appendix X, X402.3 Hale Noa, (Fig.) FRAMING SCHEMATIC.
(*3) Pukui & Elbert(1986);Hawaiian Dictionary, Univ.of Hawaii Press.