435 この地は海に(16.カハハナが逃げる)

(前回からの続き)

マウイ島から軍隊を引き連れてやって来ると、カヘキリはカハハナと話し合うことも無くワイキキに上陸し、オアフ島の統治権を彼自身の手に戻しました(*1)。

オアフ島の首長や人々は皆、カヘキリの支配下に入りました。なぜならカハハナは、悪事を働いて来た首長だからです。

これは、カオプルプルが息子に預言した言葉 「この地は海に」 の通(とお)りの、カオプルプルの最初の海でした。

カハハナは、カヘキリがここオアフ島に到着するや否や、妻ケクアポイと友人アラパイを連れて逃走し、丘の低木林の中に隠れました。


彼らはアリオマヌ、モアナルア、さらにキニマカレフアと言う所へ行きました。
それからプウロアの入江をケアナプアア、そしてケポオカラへと移動し、そこからワイピオの高地へ向かい、さらに、ワヒアワ、ヘレマノを経て、リフエへ上りました。

続いてホノウリウリのポオヒロにやって来ると、彼らはそこで初めて人々の前に姿を現わし、自分たちの扱いを彼らの手に委ねました。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, 20. This Land is the Sea's. Traditional Account of an Ancient Hawaiian Prophecy. Translated from Moke Manu by Thos. G. Thrum, p.203-214.