436 この地は海に(17.預言が現実になる)

(前回からの続き)

彼らがそこに住んでいる間に、その旨が王カエキリに報告されると、王は直ちにケクアマノハ (カハハナの妻ケクアポイの兄) と家臣たちを、ダブル・カヌーでワイキキから送り出し、彼らは最初に、ワイピオのハナポウリにあるクパフに上陸しました(*1)。

このケクアマノハは王からこう命じられていました。
「 カハハナに加えて奴の友達アラパイも捕らえて殺せ。だが、ケクアポイは生きたまま救い出すのだ。」

カヌーがハナポウリに寄港すると、続いてワイケレとホアエアエへ進み、そこからホノウリウリのポオヒロへ行き、そこで彼らはカハハナの一行と落ち合って協議しました。

ケクアマノハは甘い言葉で義弟を誘導して、自分と一緒に父王の元に参上・謁見(えっけん)する気にさせ、さらにまた、「死刑宣告は無い」と信じ込ませようとしました。

そして結局は、言葉巧みなご機嫌取りで、ケクアマノハは自分の提案をカハハナに受け入れさせました。
これが終わると直ぐに、彼らは帰るための準備をしました。

その翌朝、彼らは順調に進みホアエアエの平原に着くと、突然カハハナとアラパイに襲いかかって2人を殺害し、遺体をワイピオのハラウラニへ運びました。

そこで遺体はカヌーに乗せられてワイキキまで運ばれ、マウイ島から来た王カヘキリと彼の神官たちにより、カオプルプルの時と同じように、ココヤシの木の高所に安置されました。

こうして、オアフ島の神官のあの有名な言葉が、寸分違(たが)わぬ現実となったのでした。

定評ある権威者S. M. カマカウとデビッド・マロの著作物によると、カオプルプルが息子カフルプエに言った考え 「この地は海に」 は、ケキオピロが未来を予言した有名な言葉 「外国人がこの地を所有する」 と一致しており、今やハワイの人々は、はっきりとそれを実感しています。

このお話しに秘められた重々しい考え、そして、カオプルプルの言葉の現代、すなわち啓蒙(理性)の時代への適用 については、ある特定の考えの指導者たちの間で頻繁に話題にされ、論文中にもそれが表われています。


(終わり)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, 20. This Land is the Sea's. Traditional Account of an Ancient Hawaiian Prophecy. Translated from Moke Manu by Thos. G. Thrum, p.203-214.