448 アイアイ クウラの子(12.陸のアク釣りと海亀の創造)

(前回からの続き)

カホオラウェ島を後にしたアイアイは、次にラナイ島へ行き、カウノル岬で疑似餌カフオイを使って、アク(ボニート)を釣りを始めました(*1)。

「この魚は岸から遠く離れた深海でしか捕れない。」 というのは良く知られた事実なので、この度の彼の釣りは、陸地から疑似餌でアク釣りをしたことが、世に知られている初のケースです。

カネアプアのお話しのなかで、「彼こそがカウノル岬でアクを釣った唯一の男だ。」と指摘されているように、この岬のアク釣りはアイアイが始めたものです。


続いて、アイアイはカウノルからカエナ岬へ行きましたが、そこにはパオマイの近くに、今はポリフアの名で知られる、小さな砂浜がありました。

彼はそこで1つの石を手に取り表面に像を彫り刻み、砂浜まで運んでそれを置くと、彼の両親に呼びかけました。

すると彼が呪文(じゅもん)を唱えている間、その石は海に向かって動き続けて、水面下に姿を消しました。

呪文が終わると、石は再び海から現われて彼に向かって進み、それが置かれた場所まで戻って来ると、直ぐにその姿を海亀に変えました。このことから、その砂浜はポリフアと名付けられました。

ラナイ島におけるこのアイアイの功績は、ハワイの海に初めて海亀をもたらしたことであり、そしてまた、海亀が産卵のために砂浜に上がり、再び海に戻って行く、という習性を与えたことでした。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, 22. Aiai, Son of Ku-ula. Part II of the Legend of Ku-ula, the Fish God of Hawaii. Translated from Moke Manu by M. K. Nakuina, p.230-249.