449 アイアイ クウラの子(13.断崖を登るオパエ)

(前回からの続き)

ラナイ島を一周すると彼はモロカイ島へ向かい、プナコウに上陸して海岸沿いに進み、カウナカカイに着きました(*1)。


この地の岸辺の直ぐ近くで、プアイ-イと呼ばれるボラの卵を見つけると、彼はそれを足で蹴って砂の上に揚(あ)げました。
魚を足で蹴ると言う慣習は、この地域だけに限られていますが、今でも残っています。

アイアイは漁場を詳細に調査しつつ、またクウラを設置しながら、ハラワに行き着くまで、モロカイ島のコナ側に沿って進み続けました。

島の風上側に来た彼はワイラウで歩みを止め、ウツボのコオナの洞窟を見に行きましたが、このウツボは、ハナまで行って彼の父の池から魚を盗んだだけでなく、両親と彼自身を襲った諸々のトラブルの元凶(げんきょう)でした。

ところで、アイアイがワイラウに上陸した時、渓谷の両側には男、女、そして子供たちが溢(あふ)れ、オオプやオパエを捕まえるために、流れを堰き止めて別の水路に迂回させる作業をしていました。

流れが浅くなっていたので、何人かのヒョウタン容器は獲物で一杯でした。

アイアイは、彼らの漁獲方法には、繁殖を促すための捕獲制限という考え方が無く、あらゆるオオプやオパエが捕獲されていることに気付きました。
そこでアイアイは彼の両親に、彼らが捕った魚を全て取り上げるようにお願いしました。

この願いは叶(かな)えられ、突如として全ての魚たちが、姿を消してしまいました。

川の中の魚たちは流れを遡(さかのぼ)ってコキと呼ばれる所を目指し、一方、ヒョウタン容器の中の魚たちはその姿をトカゲに変え、慌(あわ)てて容器の外へ逃げ出すと、岩の上をあちこち走り回りました。

人々はこの変容ぶりにびっくり仰天し、また、彼らの食料が無くなってしまったことに、ひどく落胆しました。

アイアイは、カヒワという地のある少年への思いやりから、 オパエがいるのは切り立った断崖コキの上だ、と教えてあげました。

アイアイの指示に細心の注意を払いつつ、その少年がそこに行ってみると、言われた通りにオオプとオパエがいました。--- そして今でも、そこにはオオプとオパエがいます。

このお話しは土地の古老たちにより、次のような有名な諺(ことわざ)に纏(まと)め上げられています。
「ワイラウのコキはオパエの梯子(はしご)だ。」

それはまた、「カヒワの断崖絶壁」としても知られています。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, 22. Aiai, Son of Ku-ula. Part II of the Legend of Ku-ula, the Fish God of Hawaii. Translated from Moke Manu by M. K. Nakuina, p.230-249.