453 アイアイ クウラの子(17.男の子が流される)

(前回からの続き)

その時期には、ホノルルから各家々にアクが配送されていました。ところが、他の人々は皆、魚を一匹丸々貰(もら)ったのに、彼らは近所の人たちから、その一部を分けて貰(もら)っただけでした(*1)。

そこでこの女性は怒ってアイアイに、小川に行って食べ頃のオオプとオパエを捕って来て下さい、と言いました。
アイアイは、妻の意見を聞き入れました。


彼は水路を掘ると共に、小川にダムを造ってその水を幾つかの穴に導き、オオプとオパエを捕まえることが出来るようにしました。

幾日かの間、彼はこの仕事に精を出して取り組み、その結果、魚と小エビたちは窮地に陥(おちい)ったのでした。

その翌日、アイアイと妻は子供を連れて小川へ行きました。
彼女は息子を小川の川岸に残して、彼女自身は、穴に集まったオパエやオオプを捕まえるのに大忙しでした。

しかし、程なくするとその子が泣き始めました。そこでアイアイは妻に、魚捕りをやめるように言いましたが、彼女は彼に生意気な口を利(き)いて来ました。

そういう訳で、アイアイは先祖の名前を呼んで、助けを求めました。
すると、すぐさま暗く立ち込めた雲が近づいて来て、溢(あふ)れんばかりの水を小川に注ぎ込んだ為(ため)、増水によりダムは瞬(またた)く間に破壊され、全てのオオプやオパエがその子と共に、海に向けて押し流されてしまいました。

しかしその女性は、この洪水に巻き込まれませんでした。
アイアイはそれから立ち上がると、妻のことは考えずに旅立って行きました。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, 22. Aiai, Son of Ku-ula. Part II of the Legend of Ku-ula, the Fish God of Hawaii. Translated from Moke Manu by M. K. Nakuina, p.230-249.