455 アイアイ クウラの子(19.オオプが人の子に変わる)

(前回からの続き)

このオオプは、水の入った大きなヒョウタン容器に収められると、手厚い庇護(ひご)を受けながら、時々、シーモスを与えられていました(*1)。


ところがある日、オオプの世話をしていた首長の娘の付き人が、ヒョウタン容器に手を伸ばすと、その中に目を見開いた人間の子供が居たので、あっと驚きました。

そして、ヒョウタン容器の中にあった水は、すっかり無くなっていました。

彼女はびっくり仰天すると共に、嫌な予感に襲われました。そしてこの不思議な子に出会って、身震いするほどの恐怖に取り憑(つ)かれたのでした。

この女性は、その子がオオプの姿をしていたことを知る、首長の娘の所に行って、その子について話しました。そして、付き人の話を聞いたキキハレは、この報告を深く疑いながらも素早く動きました。

しかしそこ、ヒョウタン容器がある場所に着いて、その中を注意深く見ると、本当に一人の子供がいました。

彼女は直ぐさま、その子に両手を差し伸べて抱き上げると、注意深く体つきを観察して、その魅力的な容貌に注目しました。

この感情が即座に娘の心を捕らえ、彼女はこう言いました。
「さあ、私の付き人よ。貴方は夫と協力してこの子を引き取り、成長するまで育て上げるのです。そうすれば、私が彼の妻になりましょう。」

付き人は彼女にこう答えました。
「この子が成長して大人になった時、貴方はお年寄りになっているでしょう。すなわち、貴方は人生の夕暮れにいますが、片や、彼の方は未だ早朝と言った所でしょう。

ですから、将来あなた方の間に、不満や争いの種がいつまでも残るのではありませんか?」

キキハレは付き人に答えて、こう言いました。
「貴方のせいではありません。

それについては、私が考えなければいけないのです。何故なら、私の付き人さん、これは貴方では無くて私の望みなのですから。」

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, 22. Aiai, Son of Ku-ula. Part II of the Legend of Ku-ula, the Fish God of Hawaii. Translated from Moke Manu by M. K. Nakuina, p.230-249.