456 アイアイ クウラの子(20.働かない夫を嘆く)

(前回からの続き)

こんな話しがあって直ぐに、居合わせた人々や首長たちの間に、その子のことが知れ渡りました(*1)。

その中で、彼が健やかに育てられ、一人前の大人に成長すると、キキハレはかつて自ら宣言したように、彼を夫にしました。
そして当分の間、彼らは夫婦として仲睦(なかむつ)まじく、一緒に暮らしていました。

しかし最近になってキキハレは、自分の夫には家族を養う気が全く無いことが、はっきり分かりました。
彼女はそのことをしきりに嘆き悲しんで、腹立たしげに彼を非難しながら、遂にこう言いました。

「おお、わが夫よ。
貴方は毎日毎日、腹一杯になるまで食べては、ごろりと寝転がって顔を上に向け、屋根裏の棟木(むなぎ)の方を見ては、アホ(母屋)を数えています。


もうこんな生活をやめて、その代わりに、他の人たちと同じように海に出て、父や従者たちの魚捕りを手伝えないのですか?

父が生きている間は、それでやって行けるかも知れません。
しかし、万一、父が亡くなってしまったら、 私達は一体どうやって生活して行くのでしょう?」

このように、彼女は毎日毎日、彼を咎(とが)めるように言い続け、その言葉がプニアイキの心を深く傷つけました。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, 22. Aiai, Son of Ku-ula. Part II of the Legend of Ku-ula, the Fish God of Hawaii. Translated from Moke Manu by M. K. Nakuina, p.230-249.