459 アイアイ クウラの子(23.あんな所に魚が?)

(前回からの続き)

プニアイキが船着き場に着いた時、カヌーは出発の準備に大忙(おおいそが)しでした(*1)。
そして、彼らがクロロイアの海のカパポコとパカカに着くと直ぐに、現在はホノルル港の灯台があるウルクアに向けて進みました。


そこに着くと、プニアイキは漕ぎ手たちに尋ねました。
「カヌーの船首の下で、砕けているあの波は、何という名前だ?」

「プウイキです、」と、使用人たちが答えました。

すると彼はこう命令しました。
「カヌーの船首を真っ直ぐに向けろ、そして力を込めて漕ぐんだ。」

このプニアイキの言葉を、彼らは心の中で疑っていました。何故なら、波が砕けるあんな場所には、恐らくアクなどいませんから。
だが、そんなことは、彼らの知ったことではありませんでした。

彼らがあのプウイキの砕波、すなわちママラの入口、に近づくと、プニアイキは使用人たちにこう命じました。
「カヌーの向きを変えて、岸に向かって進め。」

そしてカヌーが戻り始めると、彼は慌(あわ)ただしくこう命じました。
「さあ着いたぞ、力強く漕ぐんだ。今、我々はアクの大群の先頭にいるのだから。」

ところが奇妙なことに、使用人たちが海の中を覗(のぞ)いても、周囲を泳ぐ魚など一匹もいませんでした。しかしウラクアに着くと、プニアイキはヒョウタン容器内の包みを開いて、釣り針カフアイを手に握りました。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, 22. Aiai, Son of Ku-ula. Part II of the Legend of Ku-ula, the Fish God of Hawaii. Translated from Moke Manu by M. K. Nakuina, p.230-249.