012 民話 オヒア・レフア(2.お祭りが始まる)

今回から数回に渡り、オヒア・レフアの伝説を少し詳しくご紹介しましょう。
なお、この伝説には複数のバージョンがありますが、ここではS.E. Schlosserさんの資料をベースにします(*1)。

逞(たくま)しいオヒアと美しいレフア

昔々ハワイ島に、 若く逞しい男オヒア(Ohia)と 美しい乙女レフア(Lehua) が住んでいました。

オヒアは、背が高くハンサムなうえに、大変強く逞しい男でした。
ハワイで一番大きなこの島でも、どんな競技であれ、彼に勝てる者は誰一人いませんでした。

レフアはと言うと、優しくしなやかで、清純可憐な花のような乙女でした。
その咲き誇るような美しさは、島の隅々にまで知れ渡っていました。

そして、この島の名士である父親は、1人娘の彼女をとても可愛がっていました。


村のお祭りが始まる

ハワイ島の南東部には、今も噴火を続けるキラウエア火山があります。

ある日、その山の麓(ふもと)の小さな村に、たくさんの人々が集まって来ました。
その中には、逞しいオヒアや美しいレフアの姿もあります。
そうです、これから村のお祭りが始まるのです。

会場の真ん中では、大きな焚火(たきび)が真っ赤に燃えています。

その焚火を囲みながら、ある人はご馳走に舌鼓(したつづみ)を打ち、
そしてまたある人は、お喋(しゃべ)りに花を咲かせています。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) S.E. Schlosser: Pele's Revenge, A Hawaii Legend, Myths & Legends, American Folklore.