016 民話 オヒア・レフア(6.レフアが涙を流す時)

(前回からの続き)

レフアが涙を流す時

レフアの花がオヒアの木で咲いている限り、爽(さわ)やかな日射しの良い天気が続きます(*1)。
しかし、その花が一輪でも摘み取られると、激しい雨が大地に降り注ぐ、と言い伝えられています。

美しい花になったレフアは、愛する夫オヒアの木で、ずっと咲き続けたいのです。

しかし、その望みが叶(かな)わずに木から切り離されると、レフアは悲しみのあまり大粒の涙を流します。
そしてその涙は激しい雨となって、容赦なく私たちに襲いかかるのです。

「よその人か摘んでも皆が道ずれになるなんて、いや!」、と怒らないで下さい。
ハワイには「雨が降らないと、虹は見れない (No rain, no rainbow.)」、と言う諺(ことわざ)もあります。

もしも雨に降られたら、 「きっと、美しい虹が見れる!」と楽しみに待ちましょう。


ハワイの人たちの知恵

ハワイの人たちは、山で美しいレフアの花を見つけても、直ぐにはそれを摘みません。
その代わり、レフアが咲いている場所を忘れずに覚えておきます。

そして夕方、家に帰る途中その場所に立ち寄るのです。
お目当ての花をそっと摘んだら、雨が降り出す前に急いで帰るのだそうです。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) S.E. Schlosser: Pele's Revenge, A Hawaii Legend, Myths & Legends/ American Folklore.