036 神話 マウイが太陽を捕まえる(14.長い岩になったモエモエ)

(前回からの続き)

マウイをあざ笑った男

マウイが太陽を捕まえる前、「そんなこと出来るはずがない。」と、あざ笑った男がいました(*1)。

これに激怒したマウイは、その男モエモエ(Moemoe)に次のように応じました。
「俺が太陽と戦って奴を服従さたら、次はお前を殺してやる!」

ラハイナでモエモエを見つる

太陽との戦いを終えたマウイは、かつて彼をあざ笑った、モエモエを捜(さが)す旅に出ました(*2)。


マウイは、島の東の端から西に向けて隅無く捜し歩く中で、北西部の町ラハイナ(Lahaina)にさしかかりました。
そこは「灼熱の町」と呼ばれる古都で、カメハメハ大王の息子カメハメハ3世がこよなく愛した町です。

町の北部カアナパリ( Ka'anapali)の海岸には、あの有名な「黒い岩(black rock)」があります。

この岩の由来は、神話『マウイが空を持ち上げる』の中に伝えられています(*3)。
自分をあざ笑った男に怒ったマウイが、その男を「黒い岩」に変えてしまったのです。

そして、マウイがモエモエを見つけたは、その「黒い岩」がある海岸でした。

長い岩になったモエモエ

2人は海岸から丘に登ると、丘を上下しながら激しく争いました。

長い戦いを経て、マウイは遂にその男を捕まえ、大空に投げ放ちました。
すると、不思議なことにその男は、「長い岩」に変わってしまったのです。

そしてこの「長い岩」は、その時からずーっと今まで、「黒い岩」を通る道路の脇にあります。



(終わり)
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(注記)
(*1) 本ブログ 「028 神話 マウイが太陽を捕まえる(6.ここで戦うぞ!)」 を参照下さい.
(*2) W.D.Westervelt(1910): Legends of Ma-ui, A Demi God of Polynesia, and of His Mother Hina; IV. Maui Snaring the Sun.
(*3) W.D.Westervelt(1910): Legends of Ma-ui, A Demi God of Polynesia, and of His Mother Hina; Ⅲ. Maui Lifting the Sky.