(前回からの続き)
「火はバナナの幹から作るんだ。」
これを聞いたマウイは、アラエたちがバナナをあぶり焼きにする光景を思い出しました。
そして、「なるほど、そういうことか。」と納得したのです。
そこでマウイは、アラエの説明に従って、2つのバナナを擦(こす)り合わせ始めました。
一方、アラエは監視の隙(すき)を狙(ねら)って、逃げようと思っていました。
しかしマウイはとても用心深く、少しも警戒を緩めません。
それだけではありません。
いくらバナナを擦っても、出るのは汁だけだと知ると、マウイは大声でアラエを怒鳴りつけました。
すると、アラエは声を引きつらせながら言いました。
「タロの茎を擦(こす)るんだ。」
それを聞いたマウイは、すぐさまタロの茎を擦り始めました。
しかし、その茎も生(なま)で青すぎるため、ただ水が出るだけでした。
またもやアラエに騙(だま)されたマウイは、怒り心頭に発していました。
アラエの頭をつかむと、丸ごとこすり落とさんばかりに、激しく擦ったのでした。
死の恐怖に恐れおののいて、遂に本当のことを話し始めたのです。
アラエはまず、火が宿る木の見つけ方をマウイに教えました。
さらに、色々な種類の木に隠れている、火花を引き出す方法も学びました。
甘い香りで有名な白檀(sandalwood)も、火が宿る木の一つです。
そのハワイ語名は イリアヒ (ili-ahi) です。 "ili"が樹皮、"ahi"は火 なので、イリアヒとは、「火が宿る樹皮」と言う意味です。
(終わり)
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(注記)
(*1) W.D.Westervelt(1910): Legends of Ma-ui, A Demi God of Polynesia, and of His Mother Hina; V. Maui Finding Fire.
火はバナナから起こすんだ
マウイが首をねじるのをやめると、アラエは火の秘密を話し始めました。「火はバナナの幹から作るんだ。」
これを聞いたマウイは、アラエたちがバナナをあぶり焼きにする光景を思い出しました。
そして、「なるほど、そういうことか。」と納得したのです。
そこでマウイは、アラエの説明に従って、2つのバナナを擦(こす)り合わせ始めました。
一方、アラエは監視の隙(すき)を狙(ねら)って、逃げようと思っていました。
しかしマウイはとても用心深く、少しも警戒を緩めません。
それだけではありません。
いくらバナナを擦っても、出るのは汁だけだと知ると、マウイは大声でアラエを怒鳴りつけました。
タロの茎を擦るんだ
そして再びアラエの首を掴(つか)むと、前よりも更に強くねじり上げました。すると、アラエは声を引きつらせながら言いました。
「タロの茎を擦(こす)るんだ。」
しかし、その茎も生(なま)で青すぎるため、ただ水が出るだけでした。
またもやアラエに騙(だま)されたマウイは、怒り心頭に発していました。
アラエの頭をつかむと、丸ごとこすり落とさんばかりに、激しく擦ったのでした。
火の起こし方を学ぶ
さすがのアラエもこれが限界でした。死の恐怖に恐れおののいて、遂に本当のことを話し始めたのです。
アラエはまず、火が宿る木の見つけ方をマウイに教えました。
さらに、色々な種類の木に隠れている、火花を引き出す方法も学びました。
甘い香りで有名な白檀(sandalwood)も、火が宿る木の一つです。
そのハワイ語名は イリアヒ (ili-ahi) です。 "ili"が樹皮、"ahi"は火 なので、イリアヒとは、「火が宿る樹皮」と言う意味です。
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(注記)
(*1) W.D.Westervelt(1910): Legends of Ma-ui, A Demi God of Polynesia, and of His Mother Hina; V. Maui Finding Fire.