064 民話 メネフネ(2.ハワイは妖精の郷(1))

(前回からの続き)

ハワイは妖精ブラウニーの郷

「ハワイは妖精ブラウニーの郷だ(った?)」 と言うことを知れば、興味を持つ人が必ずいるでしょう(*1)。

そして、この冒険好きの遊牧の民について、ハワイの人たちはずーっと昔から知っていたのです。
勿論、英国アイルランドのスウィフトが、風刺小説ガリバー旅行記(1726年初版)でリリパットの小人を書くよりも、ずーっと前からです。


このブラウニーの民話は、世界中の国々で伝承され、その特徴も似ています。
しかし、ここハワイのブラウニーの場合、それほどは似ていないかも知れません。

小人メネフネとはどんな人?

ハワイのブラウニーとは、「メネフネ(Menehune)」の名で、ハワイの人々に親しまれている小人のことです。
いろいろな伝承を取材してみると、メネフネとは一つの種族で、その誰もが機敏で勤勉な労働者です。

彼らは有閑階級のしゃれ男(gentleman)でも無いし、警察官なんかともずいぶん違います。
かといって、好奇心旺盛で茶目っ気溢(あふ)れる、著名なスポーツ選手でもありません。

人々の心に深く根付く

ハワイの人々の心に、メネフネが深く根付いているのは、彼らのパワーが驚異的だからです。
彼らは、山のように膨大な作業を、ほんの短時間で片付けてしまう、と伝えられているのです。

また、彼らが作った建造物の遺跡が、今でも、各島の色々な場所に残されています。
そして、これらの遺跡こそがメネフネがいたことの証(あかし)だ、とハワイの人々は主張します。

(次回に続く)
[目次へ戻る]

(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales.