070 民話 メネフネ・ピーの水路(2.川から水を引こう!)

(前回からの続き)

川から水を引こう!

昔々、カウアイ島のワイメア村に、ピーと言う名の男がいました(*1)。
彼は、神でもなければマウイのような半神でもない、普通の人でした(*2)。

ピーは、ワイメア川の西側にあるキキアオラ地域の水不足を、何とか解消したいと思っていました。
そこで、ワイメア川にダムを造って、そこから水路で水を引こうと考えました。

そして、それらをどこに造るべきかを調査し、一番良い場所を選び出しました。
しかし、そのダムと水路を造る工事は、現実には容易ではありません。

メネフネに助けを請う

そこで、ピーはメネフネの力を借りようと、村の北側の深い山に入って行きました。


やがてプウカペレに着くと、彼は近くに住む全てのメネフネに声をかけました。
そして、ダムや水路を造るために必要な、膨大な量の石材を準備するよう依頼したのです。


メネフネたちは、手分けしてこの仕事に取り組みました。
ある者は石を集め、またある者は石の形を整える、と言った具合です。

こうして、工事に必要な材料は、あっという間に準備出来てしまったのです。

(次回に続く)
[目次へ戻る]

(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales.
(*2) 英文の "ordinary man"を、「普通の人」と和訳しました。
また、「神--半神でもない」の部分は、英文にはありませんが、解り易い和文にする目的で、文意を推測しながら補足したものです。