073 民話 メネフネ・ラカの冒険(1.はじめに)

(新しいお話しの始め)

はじめに

スラムさんの民話の2番目は、 「ラカの冒険」です(*1)。
はじめに、お話しの舞台であるマウイ島のキパフル、そして主な登場人物をご紹介しましょう。

(1) キパフルとはどんな所?



かつてのマウイ島は、モク(Moku)と呼ばれる、12の地区に分けられていました。
キパフル(Kipahulu)はそのうちの1つで、島の南東部にありました。

ただし、現在のマウイ島は、かつてよりもかなり粗く、4つの地区(District)に分割されています。
その結果、かつてのキパフル地区は、現在ではハナ地区の一部分になっています。

(2) アラエヌイはキパフル内の共同生活区域
かつてのモクは、アフプアア(Ahupua'a)と呼ばれる共同生活区域の集合体でした。
アラエヌイ(Alaenui)はその区域の1つで、キパフルの北東部の大半を占めていました。


(3) 主な登場人物
かつてのハワイでは、首長(chief)のことをアリイ(Ali'i)と呼んでいました。

キパフルの首長(アリイ)の名はワヒエロア(Wahieloa)、そして、その息子の名はラカ(Laka)です。

ラカはこのお話しの主人公で、その名は、タイトル「ラカの冒険」の一部にもなっています。
彼は、アラエヌイに住む母方のおばあさんである、ヒナホワナ(Hinahowana)に育てられました。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales.