076 民話 メネフネ・ラカの冒険(4.切り倒した木が消えた)

(前回からの続き)

日没までに木を切り倒す

ラカは、このおばあさんの助言に従いました。

まず山に行って、カヌーを作るのに良い木を探しました。

良さそうな木を一本見つけると、ラカは朝早くからその木を切り始めました。
そして、日没までにはそれを切り倒し、地面に横たわらせました。

ここまでやり終えると、彼は家に帰って行きました。

倒したはずの木が消えた

その翌日、きのうの場所に戻ったラカは、あっと驚きました。
丸一日かけて切り倒して、地面に横たわらせた木が無いのです。

仕方なく、彼はもう一本の木を切り倒しました。
しかし結果は同じで、翌日にはその木も消えてしまいました。

ラカは数日間に渡り、この不思議な現象に悩まされ続けました。
そして、困り果てた彼は、再びおばあさんに助言を求めたのです。

しかし、おばあさんは前と同じ助言を繰り返すと、またラカを山に送り出しました。
「三日月形の葉を探すんだよ(*2)。」


(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales.
(*2) 原文には、「三日月形の葉の木」の種類は、明記されていません。
しかしお話しの内容から、木の種類はコア(Koa)と推測されるので、本文ではコアの写真を掲載しました。