078 民話 メネフネ・ラカの冒険(6.メネフネと約束する)

(前回からの続き)

メネフネたちが大集合

仲間達に呼びかける歌が終わると、今度はハミングの音や話し声が聞こえてきました(*1)。

そして、直ぐにその場所は人でいっぱいになりました。
そうです。 倒れた木を持ち上げようと、大勢の人が集まって来たのです。


ところが、彼らがいくら力を振り絞っても、その木はびくともしません。

ラカが2人のメネフネを捕える

これを見たラカは、素早く隠れ場から飛び出しました。
そして、彼らのうちの2人、モクハリイとカパアイケエ、を捕(つか)まえてしまいました。

それから、2人を脅(おど)すように言いました。

「俺(おれ)は、カヌーを作るために木を切っているんだ。
今度、俺が切った木を立て起こしたら、お前らを殺すぞ!」


メネフネの反論

すると、モクハリイがラカに答えました。

「もしも、私たち2人が殺されたら、誰もあなたのカヌーを作れなくなってしまう。
作ったカヌーを砂浜に引き出す人だっていない!」

ラカとメネフネが合意する

「でも、もしも命を助けてくれるなら、カヌーのことは喜んで引き受けましょう。
その代りに、2つのお願いがあります。

1つ目は、あなたが最初にカヌーの小屋を作ること。
カヌーを納めるのに十分なサイズの、大きくて長い小屋です。

そして2つ目は、皆(みんな)に十分な食物を用意することです。」

ラカは、この提案を喜んで受け入れました。
そして、捕まえた彼らを放すと、自分も家に帰って行きました。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales.