080 民話 メネフネ・ケクプアのカヌー(1.はじめに)

(新しいお話しの始め)

はじめに

スラムさんの民話の3番目は、 「ケクプアのカヌー」です(*1)。
本文に入る前に、主な登場人物、および、お話しの舞台となった場所をご紹介しましょう。

(1) 主な登場人物

・カカエ(Kakae): オアフ島に住む首長(chief)で、メネフネの子孫でもあります。
彼の妻が、「タヒチに住むという弟を探しに行きたい」 と言ったことから、このお話しが始まります。

・ケクプア(Kekupua): カカエの忠実な従者です。
首長に命令されて色々な森に行き、カヌーに適した木を探すうちに、メネフネと出会います。

(2) お話しの舞台



・島の中央部に住む
オアフ島は2つの火山から成り、それらに挟まれた島の中央部には、広大な高原が広がっています。

カカエ(首長)らが住んでいたのは、この高原のワヒアワ、クカニロコ、およびワイアルアという所でした。

ワヒアワとクカニロコは、高原の中心付近にあります。

ワヒアワは、欧米人のハワイ進出のなかで、世界のパイナップル産業の中心でもありました。
またクカニロコは、王族女性の出産の地でもあり、今でもバースストーン遺跡が残されています。

一方、ワイアルアは、高原の北はずれで海を見下ろせるので、首長らが好んで住んだそうです。

・森で木を探す
ケクプアたちは、カヌーに適した木を求めて、オアフ島の森の大半を探し歩きます。

住んでいるワヒアワから始まり、島の面積の2/3を占めるコオラウ山脈に進みます。
さらに、山脈の東側のカハナ、そして南側のホノルル市内にまで及びます。

・メネフネと出会いカヌーを引き出す
クライマックスは、現在のホノルル市内が舞台です。
ケクプアたちは、ワオラニやプウヌイでメネフネと出会ったり、カヌーを引き出したりします。

詳しくは、次回以下をご参照下さい。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales.