081 民話 メネフネ・ケクプアのカヌー(2.カヌーの木を探す旅)

(前回からの続き)

タヒチに行きたい!

カカエ(Kakae)は地域の首長(chief)で、オアフ島のワヒアワ(Wahiawa)、クカニロコ、ワイアルアに住んでいました。

ある日、妻がカカエに言いました。

「私は是非とも、弟のカハナイアケアクアを探しに行きたいのです。
弟は、おそらくタヒチに住んでいると思います。」


これを聞いたカカエは、妻の異国への航海のため、直ぐに従者のケクプア(Kekupua)に命じました。
「森へ行きなさい。そして良さそうな木を見つけて、カヌーを作るのだ。」

カヌーの木を探して森をさまよう

ケクプアは、何人もの従者を引き連れて、カヌーの木を探しに出かけました。

はじめは、ワヒアワ、ヘレマノ、そしてワオアラの森林地帯です。


さらに、コオラウ(Ko'olau)の森もあちこち探しましたが、うまくいきませんでした。

そこで、山脈を横切って東海岸に出たケクプアたちは、今度はカハナから調査を始めました。
彼らは幾つもの山を通リぬけて南に進んだ後、コオラウ山脈の西側にやって来ました。

ホノルルにたどり着く


そこはキロハナ、カリヒ(Kalihi)谷の一番上流です。
渓谷を流れるカリヒ川は、ホノルル港付近で海に注いでいます。

ケクプアたちはさらに進んで、カリヒ谷の東隣にある、ヌウアヌ(Nu'uanu)谷に入りました。
そしてワオラニ(Waolani)まで来ると、その洞窟の中で一夜を過ごすことにしました。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales.