095 神話 ペレと大洪水(5.ハワイが海に沈む)

(前回からの続き)

ハワイが海に沈む

ところが、ペレが噴き出す海のために、海面はどんどん上昇し続けました。
そしてハワイの島々は、次々と海の中に沈んで行きました。


最後に残ったのが、ハワイで最も高くて雄大な、3つの山の頂上でした。
そうです。マウイ島のハレアカラ山、そしてハワイ島のマウナ・ケア山とマウナ・ロア山です。


それから暫(しばら)くすると、今度は、海の水が少しずつ引きはじめました。
ハワイの島々が再び顔を出し、海面が現在の高さになると、そのまま落ち着きました。

カヒナリの海

この出来事は 「カヒナリの海」、ハワイ語では 「カイ・ア・カヒナリ」、と呼ばれています。

「海」は、母のカヒナリがペレにあげた贈り物です。
ペレがその海をハワイに持って来た時に起きたのが、 「カヒナリの海」なのです。

故郷からハワイへ

ペレとその家族は、これを機に故郷ハパクエラに見切りをつけ、ハワイにやって来ました。
最初にペレが、そしてその後を追うように、彼女の家族が来ました。

それ以来、彼女らはこの愛すべきハワイに、住み続けているのです。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales.