097 神話 ペレとカハワリ(1.はじめに)

(新しいお話しの始め)

スラムさんの著書「ハワイの民話」の第Ⅳ章は、「ペレとカハワリ」 です(1)。
この部分は、エリス(Ellis)さんの「ハワイの旅(Tour of Hawaii)」 からの引用のようです。

本文に入る前に、お話しの舞台と主な登場人物などにつき、簡単に説明しましょう。

お話しの舞台

ハワイ諸島の1番東には、ビッグアイランドの愛称で親しまれる、ハワイ島があります。
そのハワイ島の1番東側にあるのが、プナ地区です。


このお話しの舞台は、プナの東はずれにある、1つの丘の斜面です。
この斜面は 「カハワリのそり滑り場」、と呼ばれていました(*2)(*3)。

そして、この丘の西方にはキラウエア火山があり、ペレが住んでいると伝えられています。

主な登場人物

このお話しの主人公はタイトルにある2人、ペレとカハワリです。

・カハワリ(Kahawali)
カハワリは、ハワイ島東部にある、プナという地区の首長(chief)です。

友達とそり滑りをしようと、丘の斜面のそり滑り場にやって来ます。
そこで若い女性から競争しようと挑まれ、それがペレとは知らずに、その挑戦を受けます。

・ペレ(Pele)
ペレは火山の女神で、キラウエアの火口に住んでいます。
面白そうなそり滑りを見ると、自分も挑戦したいと言い出します。

そり滑り(ホルア(Holua))

そり滑りとは、ホルアと呼ばれるそりで斜面を滑り降りる、大変人気のあるスポーツでした。
しかし、そりの幅が狭いため不安定な上に、スピードが出るため危険も伴います。


(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅳ. Pele and Kahawali.
(*2) M.T.K.Sweeney and G.C.Burchard (1994): Archaeology in the Kilauea East Rift Zone Part II: A Preliminary Sample Survey, Kapoho, Kama 'ili & Kilauea Geothermal Subzones, Puna District, Hawaii Island (DRAFT).
(*3) Bernice P. Bishop Museum(1984): ARCHAEOLOGICAL RECONNAISSANCE AND HISTORICAL SURVEYS OF LANDS AT KAPOHO, PUNA, HAWAI'I ISLAND.