100 神話 ペレとカハワリ(4.ペレの溶岩流が迫る)

(前回からの続き)

ペレの溶岩流が迫る

カハワリは、コースの終点まで滑り降りると、そりを横に置いて立ち上がりました(*1)。
そして後(うし)ろを振り向くと、何と、あの火山の女神ペレが、こちらに向かって来るではありませんか!

雷、稲妻、地震、そして燃え上がる溶岩流(ラバ)を引き連れたペレは、
ものすごい勢いで彼を追いかけ、すぐ後ろまで迫って来ました。


逃げろ!

カハワリは、幅広の槍を地面から引き抜き、しっかりと握りしめました。
そり滑り競争を初める時に、突き刺しておいたものです。

そして友達と一緒に、命からがら逃げ出したのでした。

音楽団やダンサー、そして観客たちは、溶岩流を見た瞬間、恐怖に怯(おび)えました。
先端に怒り狂ったペレが乗り、カハワリと彼の友達を追い廻していたからです。

プウケアの高台に登る

彼らはひたすら走り続けて、ようやくプウケアの高台まで来ました。


ここでカハワリは、キ―・リーフを編んで作ったマントを脱ぎ捨てました。
そして、海の近くにある彼の家に向かいました。

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅳ. Pele and Kahawali.