101 神話 ペレとカハワリ(5.家族に声をかける)

(前回からの続き)

母に危険を知らせる

カハワリがお気に入りの豚に会うと、彼らは鼻と鼻をくっつけ合って、挨拶をしました(*1)(*2)。


それから彼は、クキイ(Kukii)と言う場所にある、母の住む家へ走りました。

そして、母と鼻をつけ合わせて挨拶すると、次のように言いました。

「お母さん、一大事です!
ここにいたら、きっと、お母さんは死んでしまう。
ペレが、どんどんこっちに進んで来るんです。」


妻と子供達に会う

母との話しが終わると、今度は妻のカナカワヒネに会いました。
そして彼女と挨拶しました。  

その間にも、燃え上がるドロドロの溶岩が、激流となって近づいて来ます。


妻はカハワリに言いました。

「私とここに居残りましょう。
そして一緒に死にましょう。」

彼ははっきりと答えました。
「だめだ。行くんだ、行くぞ。」

それから彼は、2人の子供たち、ポウポウルとカオヘに声をかけました。
「お前たち2人が、可哀(かわい)そうでならない。」

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅳ. Pele and Kahawali.
(*2) 鼻と鼻をくっつけ合って挨拶することを、ハワイでは「ホニ(Honi)」と言います. その源流は「ホンギ(Hongi)」、マオリ族(ニュージーランド先住民)の伝統的な挨拶です.