(新しいお話しの始め)
スラムさんの著書「ハワイの民話」の第Ⅺ章は、「カハラオプナ, マノアの王女」 です(1)。
この部分の執筆者はナクイナさんです。
そのマノア渓谷が、このお話の舞台です。
彼女は、ハワイで初の女性判事と言われています。
また、第7代国王カラカウアの妃である、カピオラニの女官も務めました。
さらに、ハワイ文化や民話に関する数多くの作品を残しています。
スラムさんの著作活動に際しては、ハワイ文化面からのアドバイスや、ハワイ語の翻訳をしています。
このお話、「カハラオプナ, マノアの王女」も、その中の一つです。
本文に入る前に、お話しの舞台と主な登場人物を、簡単に説明しましょう。
お話の舞台はオアフ島のマノア渓谷です。
この渓谷は、島の東岸に伸びるコオラウ山脈の南東端、州都ホノルルの東部にあります。
現在はハワイ大学本部(マノア校)があり、その先は閑静な住宅街です。
トレッキング・コースとしても人気があり、渓谷の一番奥にはマノア滝をはじめ、いくつもの滝があります。
乾季でも降雨量が多いため、良く虹がかかることでも知られています。
彼女はマノアのプリンセスで、半ば神のような家柄の人です。
彼女の美しさは、島中で大評判でした。
そして彼女は小さい頃から、カウヒ(後述)の許嫁(いいなずけ)でした。
・父のカハウカニ(Kahaukani)
彼女の父はカハウカニです。
今では人間の姿から、マノアに吹く風に変わっています。
・母のカウアクアヒネ(Kauakuahine)
そして母はカウアクアヒネです。
今ではよく降ることで知られる、マノアの雨になっています。
・家族神のプエオ(Pueo)
彼らの家族神(アウマクア)はフクロウ、ハワイでは「プエオ」と呼ばれます。
ハワイでは、サメと並ぶ代表的な家族神の一つです。
プエオは、カウヒに殺されたカハラオプナを、幾度も救い出します。
・カウヒ(Kauhi)
カウヒはカイルアの若い首長です。
カハラオプナの許嫁(いいなずけ)ですが、彼女の浮気の噂に怒り、彼女を殺してしまいます。
・若者
若者は、カハラオプナを救い出して彼女と結婚します。
なお、このお話はカラカウアの著書にも紹介されており、
そこでの若者は「マハナ(Mahana)と言う名前の、若い首長(chief)」です(*2)。
(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅺ. Kahalaopuna, Princess of Manoa. Mrs. E.M. Nakuina.
(*2) His Hawaiian Majesty Kalakaua(1888): The Legend and Myths of Hawaii, The Fables and Folk-lore of a Strange People. Charles L. Webster & Company.
スラムさんの著書「ハワイの民話」の第Ⅺ章は、「カハラオプナ, マノアの王女」 です(1)。
この部分の執筆者はナクイナさんです。
執筆者ナクイナさん
ナクイナさんが生まれたのは、オアフ島、ホノルル市内のマノア渓谷です。そのマノア渓谷が、このお話の舞台です。
また、第7代国王カラカウアの妃である、カピオラニの女官も務めました。
さらに、ハワイ文化や民話に関する数多くの作品を残しています。
スラムさんの著作活動に際しては、ハワイ文化面からのアドバイスや、ハワイ語の翻訳をしています。
このお話、「カハラオプナ, マノアの王女」も、その中の一つです。
本文に入る前に、お話しの舞台と主な登場人物を、簡単に説明しましょう。
お話の舞台
・マノア渓谷(Manoa Valley)お話の舞台はオアフ島のマノア渓谷です。
現在はハワイ大学本部(マノア校)があり、その先は閑静な住宅街です。
トレッキング・コースとしても人気があり、渓谷の一番奥にはマノア滝をはじめ、いくつもの滝があります。
乾季でも降雨量が多いため、良く虹がかかることでも知られています。
主な登場人物
・カハラオプナ(Kahalaopuna)彼女はマノアのプリンセスで、半ば神のような家柄の人です。
彼女の美しさは、島中で大評判でした。
そして彼女は小さい頃から、カウヒ(後述)の許嫁(いいなずけ)でした。
・父のカハウカニ(Kahaukani)
彼女の父はカハウカニです。
今では人間の姿から、マノアに吹く風に変わっています。
・母のカウアクアヒネ(Kauakuahine)
そして母はカウアクアヒネです。
今ではよく降ることで知られる、マノアの雨になっています。
・家族神のプエオ(Pueo)
彼らの家族神(アウマクア)はフクロウ、ハワイでは「プエオ」と呼ばれます。
ハワイでは、サメと並ぶ代表的な家族神の一つです。
プエオは、カウヒに殺されたカハラオプナを、幾度も救い出します。
・カウヒ(Kauhi)
カウヒはカイルアの若い首長です。
カハラオプナの許嫁(いいなずけ)ですが、彼女の浮気の噂に怒り、彼女を殺してしまいます。
・若者
若者は、カハラオプナを救い出して彼女と結婚します。
なお、このお話はカラカウアの著書にも紹介されており、
そこでの若者は「マハナ(Mahana)と言う名前の、若い首長(chief)」です(*2)。
(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅺ. Kahalaopuna, Princess of Manoa. Mrs. E.M. Nakuina.
(*2) His Hawaiian Majesty Kalakaua(1888): The Legend and Myths of Hawaii, The Fables and Folk-lore of a Strange People. Charles L. Webster & Company.