120 民話 カハラオプナ(2.マノア渓谷)

(前回からの続き (本文の始め))

渓谷に突き出た尾根(アカアカ)


マノア渓谷の一番奥まで来ると、そこはもう深い山岳地帯です(*1)。
その深い山々の尾根から分岐して、渓谷に突き出しているのが、「アカアカ(笑い)」です(*2)。


そうです。アカアカの小さな尾根は、渓谷の深い山々につながっているのです。
その尾根の足元には、「神の水」と言われるワイアケアクア川が流れています。

尾根に咲く花たち(ナレフアアカアカ)

そのアカアカの尾根は、ナレフアアカアカと結ばれて一つになりました(*3)。

この2人の結婚を象徴するのが、尾根に茂るオヒア・レフアの低木です。
今でも、アカアカの尾根の一番上に登ると、レフアの花を見ることが出来ます。


(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅺ. Kahalaopuna, Princess of Manoa. Mrs. E.M. Nakuina.
(*2) 「アカアカ(笑い)」は、原文の"AKAAKA(laughter)=ハワイ語(英語)"を そのまま和訳したものです。
本文での「アカアカ」は 小さな尾根の呼称ですが、ハワイ語としては (笑い) という意味があります。
(*3) ナレフアアカアカ(Nalehuaakaaka)は新婦の名前ですが、"na-lehua-akaaka" のように分解できます。
始めの部分 "na"は、定冠詞(複数形)です。
真ん中の "lehua"は、オヒア・レフアの木に咲く花、レフアを指しています。
最後"akaaka"は、新婦の名前のアカアカです。
従って、この名前は「アカアカの尾根に咲くレフアの花たち」を意味しています。