(前回からの続き)
彼女は幼い頃から、コオラウ(モク)・カイルアの若い首長、カウヒの許嫁(いいなずけ)でした。
カウヒの両親は、息子が「マノアのプリンセス」と婚約したことを、大変な栄誉と思っていました。
というのも、彼女は半ば神のような家系の人、と言われていたからです。
彼らはそのことに、大変な気遣(きづか)いをしていました。
そして、いつも彼女の食卓用に、カイルアのポイと、カワイヌイの魚を送り届けていました。
彼女は言わば、将来の夫の両親から贈られた食物だけで育ったのです。
そこで、この谷に住む人々は、彼女の美しい姿を、自分の目で確かめようとしました。
そして人々が訪れたのは、聖地ルアアレアでした。
と言ってもその境内は、プロウロウの標識で立入禁止です(*2)。
彼らのお目当てはこの聖地ではなく、その隣のカハイアマノに住む、あの評判の絶世の美女だったのです。
彼女が隣からその美しい姿で現れ、近くの泉まで歩く様子を、こっそり覗(のぞ)こうとしたのでした。
(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅺ. Kahalaopuna, Princess of Manoa. Mrs. E.M. Nakuina.
(*2) 「フロウロウ」については、本ブログ「122 神話 カハラオプナ(T.カハラオプナの光明)」を参照下さい。
神のような人
「マノアのプリンセス」と呼ばれるカハラオプナは、マノア渓谷だけでなく、周囲の幾つかの谷でも知られていました(*1)。カウヒの両親は、息子が「マノアのプリンセス」と婚約したことを、大変な栄誉と思っていました。
というのも、彼女は半ば神のような家系の人、と言われていたからです。
彼らはそのことに、大変な気遣(きづか)いをしていました。
そして、いつも彼女の食卓用に、カイルアのポイと、カワイヌイの魚を送り届けていました。
お目当ては「マノアのプリンセス」
カハラオプナが成長して女性らしくなると、彼女を見た人はだれも皆、あまりの美しさに言葉を失ったのでした。そこで、この谷に住む人々は、彼女の美しい姿を、自分の目で確かめようとしました。
そして人々が訪れたのは、聖地ルアアレアでした。
と言ってもその境内は、プロウロウの標識で立入禁止です(*2)。
彼らのお目当てはこの聖地ではなく、その隣のカハイアマノに住む、あの評判の絶世の美女だったのです。
彼女が隣からその美しい姿で現れ、近くの泉まで歩く様子を、こっそり覗(のぞ)こうとしたのでした。
(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅺ. Kahalaopuna, Princess of Manoa. Mrs. E.M. Nakuina.
(*2) 「フロウロウ」については、本ブログ「122 神話 カハラオプナ(T.カハラオプナの光明)」を参照下さい。