(前回からの続き)
ところが、彼女は彼を少しも疑うことなく、言われるままに出て来たのです。
しかもその姿は、余りにも愛らし過ぎました。
彼は暫(しばら)くの間、無我夢中で彼女を見つめていました。
そして我に返ると、彼女にこう言いました。
「水浴びに行きなさい。
それから、一緒に森を散歩したいので、準備しなさい。」
そして、彼女が放つ眩いばかりの光を、じっと見ていました。
それはちょうど虹が放つ光線のようで、泉の上空を軽やかに動き回っていました。
ある時は心の中で、嫉妬の炎が燃え上がりました。
そしてまたある時は、悔恨(かいこん)の思いに溢(あふ)れ、美しい彼女を恋しく思うのでした。
しかし、彼女を殺そうという、恐ろしい目的が揺らぐことは、ありませんでした。
なぜって? あんな価値のない奴らに、彼女が夢中になったからです。
いや、それだけじゃありません。
奴らは道徳的にも卑劣だし、 容姿だって醜い!
それと比べると、カウヒはハワイ社会の高い階級にいる特別の人です。
しかも、男としてのカッコ良さだって、かなりのものなのです。
(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅺ.Kahalaopuna, Princess of Manoa. Mrs. E.M. Nakuina.
愛らし過ぎたカハラオプナ
恐らくカウヒは、カハラオプナが家から出て来た所で、彼女を殺すつもりだったのでしょう(*1)。ところが、彼女は彼を少しも疑うことなく、言われるままに出て来たのです。
しかもその姿は、余りにも愛らし過ぎました。
彼は暫(しばら)くの間、無我夢中で彼女を見つめていました。
そして我に返ると、彼女にこう言いました。
「水浴びに行きなさい。
それから、一緒に森を散歩したいので、準備しなさい。」
カハラオプナの眩(まばゆ)い光
彼女が水浴びを楽しんでいる間、カウヒは不機嫌そうに座り待っていました。そして、彼女が放つ眩いばかりの光を、じっと見ていました。
それはちょうど虹が放つ光線のようで、泉の上空を軽やかに動き回っていました。
カウヒの心が揺れる
彼の心は大きく揺れ動いていました。ある時は心の中で、嫉妬の炎が燃え上がりました。
そしてまたある時は、悔恨(かいこん)の思いに溢(あふ)れ、美しい彼女を恋しく思うのでした。
しかし、彼女を殺そうという、恐ろしい目的が揺らぐことは、ありませんでした。
嫉妬で怒り狂うカウヒ
婚約者が浮気したという噂(うわさ)に、カウヒはこの上なく腹を立てたようです。なぜって? あんな価値のない奴らに、彼女が夢中になったからです。
いや、それだけじゃありません。
奴らは道徳的にも卑劣だし、 容姿だって醜い!
それと比べると、カウヒはハワイ社会の高い階級にいる特別の人です。
しかも、男としてのカッコ良さだって、かなりのものなのです。
(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅺ.Kahalaopuna, Princess of Manoa. Mrs. E.M. Nakuina.