143 民話 カハラオプナ(25.王様の裁き)

(前回からの続き)

王様が裁判を始める

いよいよ王様による裁判の始まりです(*1)。
王様ははじめに、カハラオプナとカウヒに、事件の全容を説明するよう命じました。

-- 2人の間に起きた出来事の全て、
そして、彼女が死んだと言う噂(うわさ)について。

彼と彼女は詳しく王様にお話ししました。

カウヒはその中で、もとはと言えばあの醜い2人、クマウナとケアワアのせいだと主張しました(*2)。

悪いのは 「カハラオプナが浮気している」と吹聴した彼らなのです。
彼が怒り狂ったのはその噂を聞いたからだ、と言うのです。

一方、噂を流した2人は彼女を目の前にして、今まで彼女に会ったことが無いと認めました。
そして、彼らの言葉は全て口先だけの自慢話だった、と白状したのです。

3人が死刑判決

王様はこれらの話を聞いた上で、判決を下しました。

「お前たちにとってはただの遊びでも、それが罪の無い彼女をどれだけ苦しめたことか!
この裁判では、お前たち2人とカウヒは直ちに死刑とする。

そしてもしも、お前たちの守護神の力が絶大で、生き返ることが出来るなら、
それは、お前たちにとってはありがたいことだ。」

(次回に続く)
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(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅺ. Kahalaopuna, Princess of Manoa. Mrs. E.M. Nakuina.
(*2) あの醜い2人とは、「124 民話 カハラオプナ(T.あかんべーの男たち)」で初登場した、「マカへレイ」すなわち「あかんべーの男たち」のことです。